ドローンビジネスの夜明け

実体化してきたドローンビジネス--市場が拡大する2017年(前編) - (page 2)

神原奨太(テラドローン)

2017-02-15 07:30

ドローンビジネスのレイヤ構造

 ドローンビジネスは大きく分けて、5つに大別できると考えている。

 まず、ドローンの機体である。機体はフライトコントローラ(FC)と呼ばれるドローンの頭脳と、モーター・バッテリ・プロペラなどから構成される。これらを組み上げ機体として販売するハードメーカーや、それぞれの部品を開発・販売する企業が機体レイヤでビジネスを展開している。

 2つ目はドローンの飛行制御、運行管理に必要な通信電波・GPSなどのレイヤである。現在は一般的にプロポ(送信機)など遠隔地にある計測器からのデータを収集する「テレメトリ」や、Wi-Fiを利用しドローンの飛行を制御している。

 また、地球上を浮遊するGPSなど全球測位衛星システム(GNSS)からの位置情報が、ドローンの自律飛行を可能にしている。

 3つ目が各産業用途に合わせたアプリケーションやそれに基づくデータ管理といったソフトウェアレイヤである。ソフトウェアは数多の種類が存在するため、一括りにするのは乱暴であるが、便宜上1つのレイヤとして扱う。

 現在は空撮写真を統合・合成する機能をもつソフトや、農作物の発育状況を可視化するソフトなどが登場してきている。

 さらに重要なのが、各種の業務用ソフトウェアと機体本体レイヤに挟まれる、運行管理システム(UTM)のレイヤである。運行管理についても別の回で詳述するが、目視外飛行も含めたドローンの産業利用を促進する上で必須のビジネスレイヤだ。

 ドローンを利用して各種サービスを提供する、サービスレイヤもある。土木測量・農薬散布など、現在ではある程度のスキルを持ったオペレーターが現場でドローンを操作し、空撮・散布などを実施している。

 さらに現場での「飛ばし」業務にとどまらず、上記のソフトウェアを活用し、クライアントが望むアウトプットを作成・納品するまでが、一連の業務である。


ドローンビジネスは大きく分けて5つ

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