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日本株展望

大統領がでたらめでも何とかなるほど好調な米経済 - (page 3)

ZDNet Japan Staff

2017-01-31 11:59

(3)資源開発を重視、自動車の環境規制緩和を画策

 トランプ大統領は、米国内で環境規制を緩和することを画策している。もし実現すると、米国の自動車メーカーは、環境技術の開発コストや規制の束縛から解放され、燃費の悪いパワフルな大型車をたくさん売ることができるようになる。そうなると、一時的に米自動車メーカーの業績を改善する効果がある。

 ただし、長い目で見ると、自動車産業を含む米国製造業の競争力を弱めることになる。米国で、省エネ・環境技術の開発が進まなくなるからだ。今でも、省エネ・環境技術で水をあけられている日本やドイツとの技術格差は一段と開くことになるだろう。

 トランプ大統領は、環境規制によって認可が出なくなっている国有地でのシェールオイル開発をどんどん認可すると述べている。そうなると、米国の資源産業は一段と栄えることになるだろう。

 ただし、その先に問題が待っている。世界で「資源の呪い」と言われている現象がある。資源が発見され、資源産業が栄える国で、製造業が廃れていく現象を、資源の呪いと呼んでいる。資源で安易に稼げるようになると、雇用や技術開発が資源産業に流れるようになるからだ。トランプ氏の政策で、米国の資源産業は一段と栄えるだろうが、長い目で見て、米国の製造業を衰退させる要因となるだろう。

(4)防衛・外交面で強硬策、移民排除

 トランプ大統領は、米国第一主義のもと、米国にとって不都合な国に、強硬策を取る方針だ。米国に刺激されて、米国と同様に、自国中心主義に舵を切る国が世界中に増えている。すべての国が自国中心で動くことにより、すべての国がダメージを受けるようになるリスクが高まっている。

それでも、短期的に世界的な景気回復が続くと考える理由

 トランプノミクスの長い目で見た大問題を考えると、暗たんとした気持ちになる。ただし、それは、少なくとも1年以上たってから起こることだ。短期的には、米景気は、順調に回復軌道をたどり、世界景気も回復歩調が続くと考えられる。世界景気は今、資源価格の暴落ショックから立ち直り、資源安メリットをフルに享受する好循環に入りつつあると考えられる。

 2017年の日経平均のイメージは、前半高・後半安だ。現時点では、トランプリスクを警戒しつつも、景気・企業業績回復の波に乗っていく局面と考えられる。足元、発表になりつつある10~12月決算内容は良好で、目先、日本の回復に世界の投資家の目が集まるだろう。

 ただし、トランプ大統領が次々と世界経済を破壊する大統領令を乱発し、世界中に不安が広がり、急速な円高が進むと、世界的な株安につながるリスクもある。30日の欧米市場は、トランプ大統領の出した入国制限の大統領に世界中で抗議活動が広がったことを嫌気して、下落した。今日の日経平均は、下落が見込まれる。

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