こんにちは、さとうなおきです。「週刊Azureなう」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
2016年末の12/22号から間が空いてしまったので、この前編では、12/22号以降の2016年のアップデートを紹介します。
Azure Storage:ブロックBLOBのサイズ上限を195GBから4.77TBに拡張
ストレージサービス 「Azure Storage」は、BLOB、テーブル、キュー、ファイルという 4種類のストレージを提供しています。そして、BLOBストレージには、 次の3種類のBLOBがあります。
- ブロックBLOB:ドキュメント、メディアファイル、バックアップなど、任意のファイル向け。ストリーミングに最適化。
- 追加BLOB:ログファイル向け。データの追記に最適化。
ページBLOB:主にAzure Virtual Machines のディスク(VHDファイル)向け。ランダム書き込みに最適化。
今回、ブロックBLOBのサイズ上限が、195GBから4.77TBへと、大幅に拡張されました。これによって、ビデオなどのメディアファイルの格納やビッグデータの用途など、さまざまなシナリオでブロックBLOBを活用しやすくなりますね。
この拡張は、 REST APIのバージョン2016-05-31以降、 .NETクライアントライブラリのバージョン8.0.0以降、 AzCopyコマンドラインユーティリティのバージョン5.2.0以降でサポートされています。Java、Node.js向けのクライアントライブラリも、順次アップデートされる予定です。
なお、追加BLOB、ページBLOBの上限は、引き続きそれぞれ195GB、1TBのままで、変更はありません。
Azure Storageのさまざまな上限値については、ドキュメント 「Azure Storageのスケーラビリティおよびパフォーマンスのターゲット」、 「Azureサブスクリプションとサービスの制限、クォータ、制約」 をご覧ください。
詳細は、Azure Blogのポスト 「Azure Storageの大規模ブロックBLOBの一般提供を開始」、 「Azure Storageの最新リリースを発表: ブロックBLOBの容量拡大、差分コピーなどさまざまな機能を追加」をご覧ください。
Azure Storage:Import/ExportサービスのAzureポータルサポート
Azure Storageの Import/Exportサービスを使うと、AzureデータセンターにHDDを送付して、BLOBストレージへのファイルのインポートや、BLOBストレージからのBLOBのエクスポートを行えます。このサービスは、データ容量が莫大であり、インターネット経由でのBLOBストレージとのファイルアップロード/ダウンロードに時間がかかりすぎる場合に便利です。
今回、Import/Exportサービスが、REST API、古い Azure管理ポータルに加えて新しい Azureポータルをサポートするようになりました。
また、Import/Exportサービスが、対象のStorageアカウントとして、クラシックな(Azure Service Managementベースの)Storageアカウントに加えて、Azure Resource Manager(ARM)ベースのStorageアカウント(クール、ホット両方のアクセス層)をサポートするようになりました。
他にも、Import/Exportツールの機能拡張など、いくつかのアップデートがあります。
詳細は、Azure Blogのポスト 「Microsoft Azure Storage Import/Export Announcements」をご覧ください。

Azureポータルでの、Azure Storage Import/Exportサービス