カスペルスキーは、法人向け仮想化環境用セキュリティ製品の最新版「Kaspersky Security for Virtualization 4.0 Agentless」の販売を2月2日から開始した。最小構成の税別価格は1CPUあたり16万円。
同製品は、VMware NSXで構築されたエンドポイントとネットワークの仮想化環境をサイバー攻撃の脅威から保護するために開発された。最新版では、NSXと連携し、マイクロセグメンテーションなど仮想化ネットワークの利点を最大限に生かした高度なセキュリティシステムを構築、運用できると説明している。今回販売されるのは英語版。日本語版も提供する予定だが、提供時期は未定。
Security for Virtualization 4.0 Agentlessを利用したVMware仮想化環境向けセキュリティ対策の基本構成(カスペルスキー提供)
セキュリティ仮想マシン(SVM)とネットワーク攻撃防御(NAB)で構成されており、仮想マシン(VM)単位での保護プログラムのインストールを不要にしている。このため、仮想化プラットフォームのパフォーマンスを低下させることなくVMを効率よく保護できる。保護の効率性確保では、SVMとVMware vCenter Serverの通信負荷を軽減する、Virtual Infrastructure Integration Server(VIIS)コンポーネントがvCenter Serverへの通信負荷を代替し、大規模環境でもvSphereのパフォーマンス低下を抑制する。
SVMには、Simple Network Management Protocol(SNMP)エージェントを搭載し、SVMの稼働状況やCPU、メモリ使用量などをネットワーク管理システムを利用して監視することが可能。NABは、ウェブトラフィックをコントロールし、ヒューリスティック分析によるアプリケーション保護を実施する。
保護の仕組みとしては、NSXのセキュリティタグを利用し、SVMがマルウェアを検知すると自動的にNSXへ通知する。その後NSXが感染したVMをすぐに隔離し、他のVMやネットワーク全体への感染拡大を防止する。すべてのVMの電源がオンまたはオフの状態にかかわらず、仮想化インフラストラクチャ全体をスキャンし、VMの電源を入れたタイミングでも安全に保護された状態でサービスを開始できる。