デルとEMCジャパンは2月1日、両社の機能統合が完了し、新年度が始まる2月から新たにワンカンパニーとして始動したと発表した。今後は、両社の製品群を2社一体となって提供する。2社の製品群が合わさることで国内シェアを倍増させる「2×2(ツーバイツー)戦略」を掲げている。
国内シェア倍増を掲げる背景には、国内シェアの伸び代の大きさがある。「サーバのシェアは主要国が約20%であるのに対して、日本は約10%にとどまっている。ストレージのシェアは主要国が約35%であるのに対して、日本は約15%にとどまっている」(デル代表取締役社長の平手智行氏)

EMCジャパン代表取締役社長の大塚俊彦氏(左)と、デル代表取締役社長の平手智行氏(右)
日本法人の法人格は引き続き2社のままだが、機能の統合は終わっている。パートナー制度も統合した。顧客から見て、多くの製品を扱う1つの組織になったという(図1)。「重複する組織を統合して一つのチームにした。顧客Aを担当するチームは1つのチームだけ。その後ろに2社の全製品がある」(平手氏)

管理部門を統合し、一つのチームに再編した。顧客から見て、多くの製品を抱える一つの組織にした
社内では、メールアドレス体系やコミュニケーションツールを2社で統合済み。拠点は各地に存在するが、社員の行き来ができており、関連する部署を集約する形で引っ越しも終わった。人事評価制度も統一した。EMCジャパンの決算期は12月期だったが、デルに合わせて1月期に変えた。
デルとEMCジャパンの強みは、ファミリ企業を合わせて、インフラからセキュリティまで幅広い製品サービスのポートフォリオを持つこと。「企業はデジタル変革によって千載一遇のチャンスを迎えている。デジタル変革を支えるには幅広いポートフォリオが必要」(EMCジャパン代表取締役社長の大塚俊彦氏)とアピールする。
国内シェア倍増計画として掲げる2×2戦略では、5つの側面でパートナーシップに注力する(図2)。デルとEMCジャパンのパートナーシップ、ユーザーから信頼される技術パートナーになること、SI/リセラーとのパートナーシップによるカバレッジの強化、先進ユーザーとのパートナーシップ、通信事業者/クラウド事業者とのパートナーシップだ。
国内シェアの倍増を狙う2×2(ツーバイツー)戦略の骨子