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HPE Discover

顧客はマルチクラウドで正しいミックスを求めている--HPE

末岡洋子

2017-02-08 07:00

 クラウド時代のハードウェアベンダーはどうあるべきか――。Hewlett Packard Enterprise(HPE)の回答は、ハイブリッドITとインテリジェントエッジだ。2015年にPC事業と分社した後、HPEはサービス事業、ソフトウェア事業も切り離し、この2つにフォーカスを絞り込む。最高経営責任者(CEO)、Meg Whitman氏の片腕としてHPEでエンタープライズグループを率いるAntonio Neri氏に、HPEの戦略全体について聞いた。

--HPEが2016年11月にスタートして1年が経過した。その後も事業のスピンオフが続いているが、現在のフォーカスは何か?

Antonio Neri氏
HPEでエンタープライズグループを率いるAntonio Neri氏

 5年前、Hewlett-Packardは200億ドル程度の負債を抱えており、信頼も下がっていた。分析と診断、修正、再構築のプロセスの下で、HPEと(PCとプリンタの)HPに分社化することになった。このプロセスはうまく進んだ。2015年11月にHPEがスタートしたとき、株価は14ドルだった。現在、25ドル程度を推移している。バランスシート(貸借対照表)は76億ドルプラスになっており、財務的には成功した。

 エンタープライズ分野の変化は激しい。ここでのHPEのビジョンを再評価し、フォーカスはハイブリッドITとエッジに置くことにした。その結果、エンタープライズサービスはCSCと統合することになった。これにより世界第2位のピュアサービスプレーヤーとなった。

 また、ソフトウェアについては素晴らしい資産があったが、全てがHPEのフォーカスであるハイブリッドITに直接関連するものではない。そこでスピンオフしてMicro Focusと統合することにした。だがソフトウェア技術をすべて手放したのではない。HPEにはハイブリッドITを実現するソフトウェアが残っている。

 HPEの戦略はハイブリッドITをシンプルにすることであり、ここでソフトウェア定義とクラウドを支えるソフトウェアを持つ。もう1つのインテリジェントエッジは、年末に開催した「HPE Discover London」で運輸、ヘルスケア、製造の3つの業界での事例を紹介した。

 日本は製造業が強く、オートメーションが重要。われわれにとって重要な市場になる。HPEがこの分野で進めるイノベーション、エコシステムは日本の顧客にとって意味があると見ている。ヘルスケア、運輸も(少子高齢化などの)日本が抱える社会面での課題に訴求するものになる。

 われわれは自分たちのポートフォリオに加えて、「Docker」「Mesosphere」など提携パートナーのポートフォリオも併せて提供できる。中核にあるのは、複雑なものをシンプルにする、インテリジェントエッジを通じてIoTのITになる、サービス事業を通じて専門技術を提供する、の3つだ。

 堅牢なバランスシートがあり、素晴らしいイノベーションがあり、フォーカスがある――これが現在のHPEだ。

--最も重視している競合はどこか?

 クラウドは現実だ。だがパブリッククラウドだけではない。つまり、顧客はパブリッククラウドのみを必要としているのではなく、ハイブリッドIT戦略を持っている。その流れで考えると、われわれはAWSと競合するし、Microsoftとも競合になる。

 だが、マルチクラウドの下ではこれらと手を組むことになり、HPEは各顧客に”正しいミックス”(パブリッククラウドとオンプレミスなどの組み合わせ)を提供できる。

 競合という点では、コストプレイヤーとして中国のホワイトベックスベンダー、パブリッククラウド、そしてDell、Ciscoなど従来の競合がある。従来の競合プレーヤーを見ると、Ciscoの方向性がわれわれにはよく分からない。(Ciscoが掲げる)”Internet of Everything”は広い意味を持つ言葉だが、顧客に具体的にどのような意味を持つのか、何を実現しようとしているのかが不明確に見える。

 Dell EMC(Dell Technologies傘下)は、われわれと真逆の方向を選んだ。(HPEの事業スピンオフに対して買収により)大きくなろうとしているし、バランスシートも逆で600億ドル以上の負債を抱えている。現在、必要なところに資本を割り当てることができるが、Dellは負債を返済しなければならない。

 Dellは”スケール”というが、スケールは必ずしも優れたコスト体質を生まない――われわれ自身が分社前に体験し、実証したことだ。分社前のHewlett-Packardは売上高1200億ドル、スケールがあった。だが、現在の年商500億ドル企業2社の方が競争優位性が高い。フォーカスがあり、コスト構造にしっかりした枠組みがあり、大きな賭けではなく、絞った賭けができる。戦略は明確でポートフォリオはリーンだ。

 競合は多方面で、市場やセグメントにより異なる。日本では、最大の競合はNEC、富士通などの日本ローカルのベンダーだが、提携関係でもある。重要なのは競合そのものよりも、顧客にバリューを提供することだ。

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