次世代SIerに必要なことをテーマに識者が語る。今回は5回目(第1回)、(第2回)、(第3回)(第4回)。参加者は以下の6人。
参加者
- NTTコミュニケーションズ エバンジェリスト 林雅之氏
- セゾン情報システムズ常務取締役 最高技術責任者(CTO)小野和俊氏
- クリエーションライン 代表 取締役社長、安田忠弘氏
- アイレット(クラウドパック) 執行役員 エバンジェリスト 後藤和貴氏
- アバナード ケイパビリティ・デベロップメント・ディレクター 和田玄氏
- 司会 ZDNet編集部 山田竜司
情報システム部門はどう変わっていくべきか
――SIが変わっていくのと共に、情報システム部門はどのように変わっていくべきなのでしょうか。
後藤氏:私は情報システム部門の方々には「自分で買って遊んで、リスクを取ってください」と言っています。「会社のためにやってるのだから、調達だけが仕事じゃないでしょう」と思うからです。
NTTコミュニケーションズ エバンジェリスト 林雅之氏
われわれがクラウドビジネスを始めてから3~4年間、お客さんは情報システムの人ではなく、だいたい事業部の人でした。黎明期にクラウドを使いたいというのは、特殊ニーズがあるとか情報システムを通したら面倒くさいとか、あるいは「小規模だから使ってみよう」と思う人でした。そういう人たちが使ってくれて、だんだん社内に広がっていく。そういうところでは何人か、社内エバンジェリストみたいな人もいたぐらいです。
ある会社の場合、「調達ポリシーがあるのでこれ以上は無理です」と言うから「一緒に書き換えましょう」と言って、クラウド用の調達ポリシーをつくりました。それで「これだったらいいでしょう」ということで、引き続き進めていく。そういうことが成立するのは、先に成功事例をつくっているからです。僕らみたいなところだと、そういうパターンであれば情報システムの問題はあまり感じない。ただ最近は会社の上から言われてるから、情シスの人が先にチェックリストだけ送ってくる。「いついつまでに打ち合わせしたいから、先に答えをお願いします」と。そういうケースが多くなってきているので、非常に面倒くさいんです。
私は米国で仕事をしていたことがあるんですが、米国では情シスの人たちも首を切られる。情シスというのは転職が盛んな部門のひとつで、それをITスキルとして出す。一方で、日本の情シスは暗いとか、怖いとか、お客さんに呼び出されるとか、謝りに行かなきゃいけないとか、そういうイメージがありますよね。だから、もったいないなという気持ちがあります。