英調査会社Machina Researchは米電気通信工業会(Telecommunications Industry Association:TIA)の依頼を受け、企業がIoTに対して現在どのように取り組んでいるかを把握するための調査を2016年3〜4月に実施した。この調査は、1年間の売上高が1000万ドル以上の米国企業(平均売上高は4億2500万ドル)の意思決定者200人を対象としており、その多くは製造業や銀行/金融業、テクノロジ業界、ヘルスケア業界に属していた。
調査の結果、半数近くの企業(48%)が積極的にIoTテクノロジを利用しており、43%が2年以内に(すなわち2018年3〜4月までに)IoTの配備を計画している、あるいは見込んでいると回答しており、IoTに対する関心の広まりが裏付けられた。

提供:Machina Research/TIA
また、この分野の現状から予想されるとおり、企業はIoTソリューションを自社のレガシーシステムと統合するために相当の努力を傾ける必要がある。Machina/TIAの調査によると、4分の3を若干上回る企業(76%)が2017年を通じてこの点に特化して、あるいは優先的に取り組んでいくと回答しており、60%は2020年までそうした取り組みが続くだろうと回答している。
今日のエンタープライズ向けIoT市場には多くの企業がひしめきあっており、専門的なサービスプロバイダーや、エンタープライズ向けテクノロジ企業、クラウドプロバイダー、通信事業者、システムインテグレーターなどが入り乱れているため、混乱を招きやすい状況にある。これらの企業はいずれも、通信経路(たいていの場合は無線)やゲートウェイ、カスタム化されたIoTソフトウェアプラットフォームを経由してIoTデバイスと既存のエンタープライズシステムを統合し、多元的なレベルでアナリティクスやセキュリティを組み込むことで顧客を支援しようとしている。

提供:Forrester Research
上述したMachina/TIAの調査によると、信頼できるIoTパートナーとして最も多くの企業が挙げているのは、システムインテグレーターだという。そしてその後には、標準化された携帯電話通信テクノロジを用いるIoT/M2Mのエンドツーエンドのプロバイダー、ビジネスソフトウェアプラットフォーム企業、低コストの専有ネットワークやテクノロジを用いるIoT/M2Mのエンドツーエンドのプロバイダーが続いている。また、これら4つが回答全体の4分の3を占めている。

提供:Machina Research/TIA