海外コメンタリー

法人分野におけるIoT--CIOは成長期のテクノロジとどのように向き合うべきか - (page 3)

Charles McLellan (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-02-15 06:30

 どのような分野のIoTソリューションプロバイダーであっても、数多くのテクノロジをマスターする必要があり、それらの一部あるいはすべてが、どの場合でも必須となる可能性がある。GartnerのJones氏はテクノロジの例として、IoTのデバイス管理や、低電力の近距離/広域ネットワーク、IoT向けプロセッサ、IoT向けOS、IoTゲートウェイ、イベントストリーム処理、IoT関連のアナリティクスとデータサイエンス、IoTプラットフォーム、IoTのセキュリティツールを挙げている。

 このような状況にあって、多くの企業がシステムインテグレーターや他のサードパーティー企業と提携しているのも不思議はない。しかし、今日の流動的で分断化されたIoTのエコシステムは向こう数年間で統合されていくことになるため、より多くの企業が自社のIoT実装を現実のものにするための経験を積み、自信をつけるようにするべきだろう。Machina/TIAの2016年の調査では、こういったことを実行しているという回答は2%にすぎなかった。

 いくつかのIoTテクノロジには複数の競合規格があるため、そのなかから選択することになる。例えば、低電力の近距離ネットワーク分野では「ZigBee」(あるいはIEEE 802.15.4ベースのその他のPAN)や「Z-Wave」「Bluetooth」(4および5)、「DASH7」「Wi-Fi」「NFC」「WiGig」がある。低電力の広域ネットワーク分野にも、「Sigfox」や、現行の2G/3G携帯ネットワーク、「NarrowBand IoT」(NB-IoT)といった専有テクノロジがある(最後に挙げたテクノロジは長期にわたる成功を収めそうだ)。

 これらの他にも米調査会社Forrester Researchは最近、IoTプラットフォーム分野における数あるベンダーのなかから主要な11社を選び出し、それらが手がけるテクノロジ、すなわちAmazon Web Services(AWS)の「AWS IoT」やAyla Networksの「Agile IoT Platform」、(Cisco Systemsの傘下にある)Jasper Technologiesの「Control Center」、Exositeの「Murano」、General Electric(GE)の「Predix」、IBMの「Watson IoT Platform」、LogMeInのIoT接続製品管理プラットフォーム「Xively」、Microsoftの「Azure IoT Suite」、PTCの「ThingWorx」、SAPの「SAP HANA Cloud Platform for the Internet of Things」、Zebra TechnologiesのIoTクラウドサービス「Zatar」を評価している。そして、Forresterは各社が現在提供しているものと戦略的展望という観点から、「リーダー」となる4社の企業を選び出している。


提供:Forrester Research(「Forrester Wave: IoT Software Platforms, Q4 2016」)

 まず、IBMのWatson IoT Platformは、先進的な機能(拡張現実や認知機能、ブロックチェーン、エッジ分析、アナリティクスツール、自然言語処理など)と、オープンソースへの注力、グローバルで堅牢なパートナーエコシステムが評価されていた。

 次にPTCのThingWorxは、ワイヤレスプロトコル(近距離及び広域)に関する幅広いサポート、強力なデジタルツイン機能、豊富な同梱アプリが評価されていた。また同社は、Qualcommの子会社であるQualcomm Connected ExperiencesからVuforia事業を2015年に買収したことで、拡張現実の分野でもリーダー的存在となっている。

 そしてGEのPredixは、遠隔監視のほか、先進的な予測分析やエッジ分析、業界トップクラスのデジタルツイン能力に特化し、産業IoTの配備に力を入れている点が評価されていた。

 4社目に挙げられたMicrosoftのAzure IoT Suiteは、予知保全や遠隔監視のためのあらかじめ設定されたソリューションを提供し、「Azure IoT Hub」や「Azure Notification Hubs」「Azure Machine Learning」「Azure Stream Analytics」といったサービスを実現している。同社のIoTプラットフォームは、説得力のあるロードマップと世界的な展開でも評価されていた。

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