ミック経済研究所が2月9日に発表した「HRTechクラウド市場の実態と展望 2016年度版」によると、「人事・配置」「採用管理」「労務管理」「育成・定着」などを含む2016年度のHR(Human Resources)Techクラウド市場の規模は前年比54.0%増の119.2億円が見込まれている。2017年度は前年比54.5%増の184.2億円、五輪が開催される2020年には成長のピークを迎え、2021年度には613.0億円になると予測している。
同研究所は、2016年の結果から同市場が黎明期から成長期に入ったとし、中堅中小企業を中心にワークスタイルの多様性を反映しつつ、有為な人材の確保、活用の重要度が急増していることを背景に背景に挙げている。
ソリューション別では、採用管理クラウドは人材確保のための情報一元化ニーズが急拡大しており、前年比45.5%増の36.1億円が見込まれている。2017年度は、前年比46.0%増の52.7億円になると予測している。採用管理クラウドは、採用媒体と採用管理クラウドのシステム間連携も進み、スマートフォンなどから応募者や社員が直接データを入力でき、ソーシャルやAI、ビッグデータ解析などHRTechの取り込みによる需要が拡大している。
人事・配置クラウドは、中堅中小企業の人材の可視化や分析需要が牽引し、前年比56.9%増。労務管理クラウドでは、スタートアップ企業を含め、バックオフィス業務の自動化ニーズで急浮上している。育成・定着クラウドは前年比45.0%増の成長となった。

4分野別市場規模推移図(ミック経済研究所提供)

4分野別市場規模・ウエイト推移図(ミック経済研究所提供)