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「VR空間でのコミュニケーションが当たり前になる」--よむネコ

飯田樹 山田竜司 (編集部)

2017-02-16 07:00

 VRゲーム開発会社のよむネコは2016年12月6日、VR空間を使った脱出ゲーム「ENIGMA SPHERE」を発売した。VRをめぐるビジネスは現在どのような状況にあるのか、また、VRの応用はこの先、いかなる方向に進んでいくのか、Tokyo VR Startup取締役、よむネコ代表で、「VRビジネスの衝撃」(NHK出版 2016年)著者でもある新清士氏に話を聞いた。


Tokyo VR Startup取締役、よむネコ代表で、『VRビジネスの衝撃』(NHK出版 2016年)著者でもある新清士氏

 --まずは、よむネコの事業内容をお聞かせください。

 新清士氏:「VR脱出ゲーム」と呼ばれる、VRを使った脱出ゲームを開発しています。VRの世界に入ると、テレビや普通のゲームでは感じられなかった強力な没入感と、本当に物が存在するかのような実在感を味わえます。この2つを組み合わせることで、今までにない体験が作り出せると考えました。VR空間には「複数人で遊べる」という魅力もあるため、複数人でできる脱出ゲームを題材として選んでいます。12月6日の「Oculus Touch」発売に合わせて、それに対応したVRゲーム「ENIGMA SPHERE」をリリースしました。

 VR脱出ゲームを開発した先には、居心地のいいVR空間を作り、カジュアルに楽しんでもらえる環境を提供することを目標にしています。例えば、VRにおける課題のひとつに、「手」の扱い方があります。VR空間では、ボタンを押しても押した時のレスポンスを感じられません。それでは気持ちが悪いので、われわれは、実在感が増すレバーのようなものをプレイヤーに動作させています。VR空間の中だけに存在するリアリティをどう作るのかを追究しており、その技術を派生させれば、ゲーム以外にもさまざまなサービスに応用できるようになる見込みです。

 --VRゲームに対する、現在の反響は。

 新清士氏:VRゲームをプレイできるハードの普及と関心の高さにギャップがあります。東京ジョイポリスで提供しているVRゲームは実際に遊んでもらったお客さんから良い反響を得ていますが、遊べる環境が身近にある人はVRが好きな人に限られます。VRを一番楽しめる複数プレイヤーとのゲーム環境を提供しきれていないことに、ジレンマを感じています。

 ハードの普及が追いついていないことの例が、PSVRの在庫切れが続いていることです。PSVRは新しいパーツを組み合わせているため、量産が予想よりも進まなかったのがネックになったことが挙げられます。オキュラスも同様で、3月に発売した製品も量産で失敗しています。ハードを生産した経験がなかったのが原因で、最初のニーズを取り込めなかったことで生じたギャップは大きいです。12月6日に発売した「Oculus Touch」も立ち上がりが予想よりゆるい印象です。

 --Android 7.0 NougatからVRモードが追加されるなど、スマホもVR対応の流れがあります。スマホがハイエンドVRの代わりになっていく可能性はあるのでしょうか。

 新清士氏:GoogleのPixelも含めて、今出ているスマホ向けのVRハードは、コンピュータと比べるとパワーも液晶の解像度も足りません。映像の視聴だけなら、Pixelでもだいぶ良いものが見られますが、頭の位置を把握させ、インタラクションをするパワーが足りないのです。オキュラスなどのハイエンドVRは、3D映像を出す計算もPC側で担い、センサで頭の位置を正確に取っているため、コストがかかります。ちなみに、PSVRはその中間に位置していますね。

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