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日本株展望

2月の人気優待銘柄で気をつけるべきリスク - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2017-02-15 12:13

株主優待目当ての投資の困った側面

 ここからは、株主優待目当ての投資の困った側面を解説する。以下の2点が挙げられる。

  1. 優待魅力に惹かれて投資する人の一部に財務内容や企業業績をまったく見ないで投資する傾向がある。株価をまったく見ない人もいる。気付かないうちに株価が大きく下落して損が膨らむこともある
  2. 株主優待制度が突然廃止されることがある

 上記の具体例を紹介しよう。

(1)2010年の日本航空破たんで優待目当て投資の問題が浮き彫りになる

 「優待目当ての投資は良くない」例として有名になったのは、破たん前の日本航空だ。日本航空は、株主に対して、航空運賃が正規料金の半値になる株主優待券を配賦していた。日本航空は、かつて国営企業つまり「親方日の丸」企業だったので、「まさか破たんすることはないだろう」と、財務内容を見ずに優待目当てで投資していた個人投資家が多数いたことが知られている。

 破たん後に再生して再上場した現在の日本航空は、財務内容も収益力も回復し、魅力的な投資対象になっていると思われる。ところが、破たん前の日本航空は財務内容に重大な問題を抱えていた。窪田氏は、日本航空の破たん時にファンドマネージャーをやっていたが、当時の日本航空は“実質債務超過”であったことから、投資不可リストに入れており、投資することはなかったという。

 「実質債務超過」とは、自己資本が実質マイナスということだ。当時、表面上、自己資本はプラスだったが、開示されている財務諸表の注記事項をきちんと見れば、退職給付債務(年金)の積み立てに大きな不足があり、差し引きすると、実質債務超過であったことがわかっていた。

 また、LCC(低運賃の航空会社)の新規参入で、世界的に航空会社の経営は悪化しており、米国では大手航空会社の経営破綻が相次いでいた。元「親方日の丸」企業だったからというだけで信頼することはできない状況だった。

(2)優待狙いの買いで株価が急騰したところで買うと、優待の権利落ち後に株価が急落することがある

 魅力的な株主優待で有名な銘柄には、優待の権利取り直前に株価が急騰し、権利落ち後に株価が急落するものもあり、注意を要する。優待の権利取り前に株価が急騰している銘柄は、投資を避けた方が良いだろう。

 2月の人気優待銘柄で言うと、ダイヤモンドダイニングは要注意だ。2月末の優待取りを狙った買いが1月から入って、株価がすでに急騰しているので、ここからは買わない方がいいだろう。

ダイヤモンドダイニング週足:2016年7月1日~2017年2月14日

ダイヤモンドダイニング週足:2016年7月1日~2017年2月14日

 ダイヤモンドダイニングは、100株(2月14日の株価1908円で評価すると19万800円)を保有する株主に対し、2月末に食事券6000円または6000DDマイル(1マイル1円で交換できるポイント)が付与される。投資額19万800円に対して、6000円相当の優待を得られるので、魅力的な優待と言える。

 ただし、明らかに優待狙いと見られる買いで株が急騰しているので要注意だ。同社は優待内容を2月9日に変更している。それまでは、2月末の100株の保有者には、食事券4000円または4000DDマイルを付与するとしていた。優待内容を5割増しにする発表を受けて、同社株は2月10日以降上昇が加速している。

 優待取りの買いが終わると、株価が大きく下がるリスクもある。窪田氏が今ファンドマネージャーでこの銘柄を保有していれば、即売るだろうとのことだ。

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