また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2016年11月、7年振りに改定した「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」の普及支援も行う。上記の調査からは、同ガイドラインに準拠している会社はわずか3%に止まった。セキュリティは喫緊の課題であることから、デルではIPAの中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインにコミットしていく。「これはPCベンダーでは一早い動き」という。実際には、全国約17カ所・合計21回、中堅企業向けのセミナーを順次開催して啓蒙を図る。
社内の営業体制についても、これまでのインサイドセールス体制を強化し、中堅企業の顧客対応を専門とし、より高度なスキルや知識を持つ”ITコンシェルジュ”にプッシュしていく。ITコーディネイター、情報セキュリティマネジメントといった資格取得を促進していくという。デルではキャリアパスとして、ITコンシェルジュの上位に、クラウドを含んだ提案ができる”クラウドコンシェルジュ”も設けるという。
ITコンシェルジュについて、デルの広域営業統括本部 企画部長を務める石垣浩輔氏は、「ビジネスパートナー的な存在を目指す」と説明する。「これまではプロダクトアウトの要素が強かったが、より寄り添った形で支援していく」と意図を明かした。
デルのCTO、黒田晴彦氏。中小企業のIT部門は、「経営者との会話、現場との会話、実際のITの整備、の三役が求められている」。
2016年にデルの最高技術責任者(CTO)に就任した黒田晴彦氏は、「中堅企業は小ぶりだが会社としては重要なミッションを負っており、ベンチャーとは違って社内にしっかりした仕組みがある。その中で、IT部門は難しい役割をこなしている」と語る。「デルは中堅企業との接点が多く、コールセンターでは社員が直接声を聞いている。また、PCからサーバーまで広範囲なソリューションを持っており、世の中の動向まで紹介できる」と優位性を強調した。