5Gでも使える携帯事業者向け伝送装置、インフィネラ開発

日川佳三 2017年02月20日 12時55分

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 伝送装置を手がけるインフィネラ・ジャパンは2月17日、携帯電話事業者向けの伝送装置の新製品として、第5世代(5G)の携帯電話が要求するスペックを満たすとする新製品群を発表、順次提供を開始した。4Gの設備として使える上に5Gの設備としても使えるという。

 携帯電話の設備の特徴は、背後にある通常のネットワークの手前で無線信号を取り扱うこと。ざっくりと言って、携帯電話から無線で受けた信号を制御コンピュータを介して通常のネットワークに転送している。

 通常のネットワークの手前にある、携帯電話に特有の伝送経路は、大きく2つに分かれる。無線基地局(アンテナ)から制御コンピュータ(Base-Band Unit:BBU)へと信号を伝送する経路が“フロントホール”で、BBUから通常のネットワークへとつなぐ経路が“バックホール”だ。

 BBUは一般に、電話局のデータセンター設備を借りて設置する。複数のBBUをデータセンターに集約しており、1台のBBUで複数の基地局を収容する形になる。それぞれの基地局とは光ファイバで接続する。伝送プロトコルはCPRI(Common Public Radio Interface)が標準的に使われる。

 今回発表した新製品群は基本的に、基地局とBBUをネットワーク対向型で接続する、フロントホール用の伝送装置としての位置付けになる。基地局側にBBUを設置して基地局側でのバックホール接続を担えるようにしたL2スイッチ製品も含まれる(図1)。

図1:携帯電話事業者向け伝送装置の新製品群。4Gで使えるとともに、5Gでも使えるようにした(インフィネラ提供)
図1:携帯電話事業者向け伝送装置の新製品群。4Gで使えるとともに、5Gでも使えるようにした(インフィネラ提供)

基地局接続の帯域増をイーサネットの多重化で対策

 新製品群のハイライトの1つは、5G時代に向けたトレンドとして、L2(レイヤ2)のイーサネットを使ってフロントホールの通信を行えるようにするなど、フロントホールとバックホールの伝送経路の設計を柔軟にしたこと(図2)。

図2:アンテナとBBUをイーサネットでつなぐ構成、BBUを基地局に配置する構成、複数のフロントホール接続を束ねて多重化する構成など、柔軟な伝送路の設計が可能になる。通信コストの削減といった効果が得られるという(インフィネラ提供)
図2:アンテナとBBUをイーサネットでつなぐ構成、BBUを基地局に配置する構成、複数のフロントホール接続を束ねて多重化する構成など、柔軟な伝送路の設計が可能になる。通信コストの削減といった効果が得られるという(インフィネラ提供)

 5G時代になると、基地局とBBUの通信が現状よりも広帯域になる。しかし、それぞれの基地局をつないだ光ファイバのすべてを広帯域化すると、コストが高くついてしまう。そこでイーサネットを使う。イーサネットを多重化して光ファイバの回線コストを抑制する。

 新製品群ではさらに、5G時代に向けた強化として、BBUの集約率を高めるための仮想化技術、ネットワークを柔軟に設計するためのSDN(ソフトウェア制御型ネットワーク)機能、基地局側でアプリケーション処理などを実行するエッジコンピューティングに耐える低遅延、といった特徴を備えた(図3)。

図3:5G時代に求められる要件として、BBUの集約率を高めるための仮想化技術、ネットワークを柔軟に設計するためのSDN、基地局側でのエッジコンピューティングに耐える低遅延、などの特徴を備えた(インフィネラ提供)
図3:5G時代に求められる要件として、BBUの集約率を高めるための仮想化技術、ネットワークを柔軟に設計するためのSDN、基地局側でのエッジコンピューティングに耐える低遅延、などの特徴を備えた(インフィネラ提供)

 5G時代は1つの基地局がカバーするエリアが狭くなるので、単純に基地局の数とBBUの数が増える。データセンター側では現状でも複数のBBUを設置しているが、さらにBBUの集約率を高める必要がある。ここで使われる技術がNFV(仮想アプライアンス型のネットワーク機器)などの仮想化技術になる。

基地局の屋外に置ける耐環境型

 新製品は、以下の通り。

 基地局とBBUをつなぐ伝送機器としては、基地局側に置く「屋外用リモート・フロントホール・フレックスポンダ(クラムシェルタイプ)」と、電話局側に置くモジュール型の「局内用フロントホール・フレックスポンダ」を提供する。電話局側では、シャーシ「オールインワンMFH/MBH pre-5G検証キット」と一緒に使う。

 ラックマウント型でありながら、主に基地局の屋外に設置して使うことを想定した「屋外用フロントホール・フレックスポンダ(キャビネット実装タイプ)」も用意した。摂氏マイナス40度からプラス65度の環境に耐えられるようにしている。

 BBUとコアネットワークをつなぐバックホール接続を担うL2スイッチ機器で、基地局の屋外に設置することを想定した製品「EMXPアクセス・ユニット(屋外L2バックホール用)」も用意した。波長分割多重(WDM)装置でもあり、複数のイーサネット接続を束ねて1本の光ファイバに転送できる。

 EMXPアクセス・ユニットを使えば、基地局にBBUやネットワーク接続機能を置く構成が取れる。また、BBUと基地局の間に入って複数のフロントホール通信を束ねる使い方ができる。

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