同氏は、AIで長期的な変化を起こすための鍵は、情報を患者の治療に役立てられるようにすることだと述べている。しかし情報をそのように使うには、特にデータのセキュリティと秘密保持の観点で課題がある。「本当の価値は、匿名化されていないデータを使用したときに得られるようになるだろう」とClarke氏は言う。
「もし、大規模な情報のリポジトリがあり、人口動態的なビッグデータを追加することができれば、患者の健康状態に関する予測を始められる。潜在的には、人々がいつ健康診断に来るべきかを早い段階で警告することもできるはずだ」(Clarke氏)
しかし今進められているプロジェクトで使用しているのは、匿名の情報だ。「これはやむを得ない。医療の分野では、どのようにデータを商用利用するかという問題や、主体となる団体や患者にどのように価値を還元するかという問題が常につきまとう」とClarke氏は述べている。
しかし同氏は、同様のプロジェクトが大きな変化のきっかけになるかもしれないと指摘する。「現段階ではAIの価値を理解することは難しいが、可能性は巨大だ。この技術は自ら学習するものであり、非常に刺激的だ。AIはこれまでの技術とは違うもので、まったく新しく、ITの分野に関わる者全員が追究すべきだ」と同氏は言う。
自動化は雇用の減少につながるというレポートもあるが、それとは対照的に、Clarke氏はAIが(特に予測医療の分野では)データサイエンス分野のまったく新しい雇用につながる可能性があると考えている。「これは雇用を減らすという問題ではない。命を救えるかもしれないという問題だ」と同氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。