デジタル技術を活用したイノベーションの創出への注目が高まっていますが、企業のIT部門はこれにどのような姿勢で取り組んでいるのでしょうか。今回は、2年前の調査と比較しながら、IT部門のイノベーションへの取り組みに対する意識について紹介します。
活躍の場をいかに作るか
デジタルイノベーションやデジタルビジネスの創出の重要性が叫ばれる中、企業のIT部門ではどのような意識を持ち、どの程度の備えができているのでしょうか。ITRでは、2014年11月の第1回「デジタルイノベーション動向調査」に続いて、同様の質問を含む第2回「デジタルイノベーション動向調査」を2016年4月に実施しました。
この調査では、ITを活用したイノベーションについて「働き方・組織運営の変革」「顧客関係・マーケティングの変革」「新規事業創造やビジネスモデルの変革」の3つの方向性を示していますが、まずはこれらの重要性に対するIT部門の認識を見てみましょう(図1)。

図1.3つの方向性のイノベーションに対するIT部門の認識 出典:ITR(「デジタルイノベーション動向調査」2014年11月実施:281件、2016年4月実施:259件)
まず、3つの方向性の重要性に関して、すべてにおいて「正に当てはまる」との2014年には15%前後だったのが2016年には20%前後と5ポイント程度増加しています。一方、その逆の「全くあてはまらない」は概ね半減しています。全体的にデジタルイノベーションへのIT部門の意識はこの2年で前進していることがわかります。確かに、筆者に対するユーザー企業からのご質問やオンサイト講演依頼の内容も、ITを活用したイノベーションやデジタルビジネスに関する依頼が非常に増えてきていることを実感しています。