クアルコムが強化するIoT戦略--断片化に対処するSoC、「Android Things」サポート

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 湯本牧子 高森郁哉 (ガリレオ)

2017-02-22 10:58

 Qualcommがモノのインターネット(IoT)戦略を強化する。同社は米国時間2月21日、GoogleのIoT向けOS「Android Things」をサポートし、Amazon Web Services(AWS)との連携を進めることを明らかにしたほか、多くの規格を集約するシステムオンチップ(SoC)2製品を発表した。

 「QCA4020」および「QCA4024」という2つのSoCは、Bluetooth Low Energy 5、デュアルバンドWi-Fi、ZigBee、Threadなどの規格に対応する。開発の面で、Qualcommの新システムがデフォルトでサポートするのは、Appleの「HomeKit」、Open Connectivity Foundation(OCF)のIoT標準規格、AWSのIoTソフトウェア開発キット(SDK)、Microsoftの「Azure IoT Device SDK」などだ。

 Qualcommはバルセロナで開催されるMobile World Congress(MWC)で、新しいSoCの概要を説明する。これら2製品のサンプル出荷を2月21日に開始し、2017年下半期に量産開始する予定だ。

 これとは別に、Qualcommは他社に先駆けて、4G LTE対応プロセッサで新たにAndroid Thingsをサポートすると述べた。QualcommがAndroid Things初対応を目指すのは、X5 LTE対応モデムを備えたプロセッサ「Snapdragon 210」だ。同社は、2017年中に予定しているAndroid Thingsのサポートについて、「Google Cloud Platform」にも対応する計画だと述べた。

 これらの取り組みから、Qualcommの意図はすぐにわかるだろう。スイス製アーミーナイフのように、どんなIoT導入にも対応できる万能プロセッサを目指すということだ。現在、スマートホーム、スマートシティ、IoTをめぐる環境が全体として分散化しており、さらなる統合が求められている。そうした状況で、NXP Semiconductorsの買収を通じて事業の多角化を進めているQualcommは、顧客を獲得できる可能性が高いと言えそうだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]