日本は名刺データの活用で遅れ
(2)の営業について川辺氏は、日本の商習慣の1つ、名刺交換シーンを撮影した映像を見せた。これについて海外のアナリストにコメントを求めた。
Alvarez氏は、「米国とカナダ、欧州の一部では、営業担当者は名刺を持っていない」と説明。理由は、LinkedInだ。LinkedInにプロファイル情報がすべて載っているので、名刺は不要という。
Thompson氏も、「LinkedInのおかげで名刺は10分の1の分量で済んでいる」と指摘。「LinkedInにアクセスすれば、ここ15年で会った人たちはみんなつながっている。例外は日本、中南米、ドイツの一部だけだ」(Thompson氏)
川辺氏は続いて、営業担当者が名刺を渡されたときの管理方法、つまり、スキャンしてデータベースに登録するといった活用方法について聞いた。
Maoz氏は、「米国では名刺データをすぐに情報ダッシュボードに登録する。登録したら紙の名刺には意味がない。役に立たない」と説明。ダッシュボードを見れば、いつ会って、何を話したか、などがすべて記録されている。さらに、LinkedInを見れば、誰が誰とどういう形でつながっているのかが分かる。
ジーン・アルバレス氏も、「名刺は引き出しに入れておくが、LinkedInに登録されていたら捨てる」と説明する。「誰かに会った、というだけではだめ」という。情報と情報がつながって活用されてこそ価値があるとした。