日本に欠けているのは体験を売ること
(3)のカスタマーサポートについて川辺氏は、日本の独自性として、日本語を話すこと、キーボードがそれほど普及していないことなどを挙げた。これらの理由から、ウェブチャットなどのサポート手段の導入が遅れているのではないかと指摘した。
これを受けてジーン・アルバレス氏は、チャットアプリがビジネスツールになっている状況を説明した。Alvarez氏は、中国人と連絡をとる手段として、中国のWeChatを使っている。WeChatでQRコードを交換して葉巻の店の情報を教えてもらったことがあるという。
(4)のデジタルコマースについて川辺氏は、日本は文化圏が閉じており、グローバル標準に合わせるとすると大きな変革が必要になると指摘した。
Alvarez氏は、1995年に初来日した時と比べて、2017年の現在はデジタル技術の浸透によって便利になったと評価した。「インターネットによって地理的な障壁が排除された」(Alvarez氏)
川辺氏は最後に、(1)マーケティング、(2)営業、(3)カスタマーサポート、(4)デジタルコマース、の4つにまたがった顧客体験全般について、日本はどのようにすればいいのかを聞いた。
Thompson氏は、「日本に欠けているのは体験を売ること」と指摘。商品やサービスの品質は高いが、体験を売ることには長けていないとした。1つの例として、Harley-Davidsonのバイクは価格が高くて故障率も高いのに、みんな「ハーレー」に乗ってレザージャケットを着てツーリングする、とした。