リバーベッドテクノロジーは3月1日、SD-WAN製品群「SteelConnet」の機能強化や新製品を発表した。2016年10月にSteelConnet 2.0を正式発表して以降、約300社で導入検証が行われていることも明らかにした。
まず機能強化では、Amazon Web Services(AWS)に加えて、Microsoft AzureでもSteelConnetからSD-WANを導入できるようになった。SteelConnetの管理ポータル「SteelConnect Manager」から数クリックの操作をするだけで、インスタンスの立ち上げから拠点間でのSD-WANの展開までが行えるとしている。
Azureに対応した管理ポータル
GUIでAzureのリージョン間でSD-WANを展開した様子が分かる
新製品は、WAN最適化の「SteelHead」とSteelConnetの機能を1台のアプライアンスで提供する「570-SD」「770-SD」「3070-SD」およびデータセンター向けハイエンドモデルの「SteelConnet SDI-5030」をラインアップに加えた。
570-SDなど3機種では、SteelHead側が持つ1300種類以上のアプリケーションの識別情報を利用してSteelConnect側でSD-WANを運用する仕組みだ。ディープパケットインスペクション(DPI)やSSL/TSL通信などセキュリティ機能も備える。同社は、筐体1つで両機能を利用することによる省スペース性や低コストなどのメリットを提供できるとした。
SD-WAN機能とWAN最適化機能を1台のアプライアンスで提供する
SDI-5030は、10Gbps以上のネットワークを有するデータセンター向けモデルと位置付けられている。1筐体あたり5GbsのIPSecをサポートしており、n+1による最大6台での冗長構成が可能、最大25GbpsのIPSecに対応する。既存のネットワーク構成を大きく変更することなく導入できるのが特徴という。
データセンター向けもラインアップに追加された
記者会見した技術本部長の草薙伸氏によると、SteelConnet 2.0の発表以降に同社のSD-WANを検証する企業は約300社、1600件以上に達しているとのこと。草薙氏が紹介したケースでは、製造行の438拠点や医療系の900拠点、流通の1045拠点といった多拠点を抱える企業での取り組みが目立つ。草薙氏は、「ソフトウェア技術でWANを柔軟に構築、運用することによるコストメリットやスピードがユーザーに受け入れられている」と話した。