調査

ロボアドバイザーには圧倒的多数が肯定的--アクセンチュア調査

NO BUDGET

2017-03-05 07:00

 アクセンチュアは、2月23日、「Global Distribution & Marketing Consumer research」の結果を発表した。この調査は、人間の代わりにコンピュータがアドバイスを提供するロボアドバイザーサービスに関して、世界の18の国と地域、約3万3000人の消費者を対象に、アンケートを実施したもの。9987件の回答が寄せられた。

 調査の結果では、10人に7人が、銀行・保険サービスや退職後プランについて決断する際、ロボアドバイザーサービスを積極的に利用すると回答しているという。

 調査対象は、日本、米国、カナダ、ベネルクス3カ国、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、北欧諸国、スペイン、英国、ブラジル、チリ、オーストラリア、香港、インドネシア、シンガポール、タイに在住し、銀行、保険、資産管理のサービスを利用している消費者。銀行口座を持ち、保険を契約していることを前提条件として回答者を募っている。回答者の構成は、複数の世代と所得水準を網羅するよう配慮された。調査期間は2016年5月から6月。

 ロボアドバイザーの利用を望む主な理由としては、サービス提供の迅速化(39%)、低価格化(31%)、コンピュータや人工知能(AI)による、人間よりも公平かつ分析的なアドバイスの提供(26%)などが挙がっている。

 地域別では、新興市場でロボアドバイザーに対する関心が特に高いことが明らかになっており、インドネシア(92%)、タイ(90%)、ブラジル(86%)、チリ(84%)という結果となった。またカナダ(56%)、ドイツ(59%)、オーストラリア(61%)といった需要の比較的低い国でも、調査対象となった消費者の過半数が、ロボアドバイザーの利用に肯定的な回答をしている。

 一方、3分の2の回答者が、金融サービスでは対面での対応を求めており、特にクレーム対応(68%)や住宅ローンなどの複雑な商品に関するアドバイス(61%)でニーズが高くなっている。

 さらに、従来の金融サービス事業者以外の企業から、金融サービスを受けることに肯定的であることも分かった。サービスの提供者に関する回答では、銀行サービス(31%)、保険サービス(29%)、ファイナンシャル・アドバイス(38%)となっているが、3分の1の回答者が提供元をGoogle、Amazon、Facebookに切り替えるかもしれないと回答している。しかし、切り替える傾向が強いと推測されがちな18〜21歳の回答者の中での切り替えに肯定的な回答は、41%にとどまっている。

 また今回の調査では、3分の2の回答者がそれぞれの状況に合わせて、パーソナライズされた保険アドバイス(64%)と金融アドバイス(63%)に関心があると答えている。資産管理のアドバイスでは73%という高い数値を示し、48%が銀行に対し、「住宅や車といった銀行以外の商品の購入をサポートしてほしい」、もしくは「それらの購入に関連するサービス(保険商品、販売および契約の手続きの支援など)があればいい」と回答している。

 自身のデータを金融サービス事業者と共有することについては、67%が、銀行が個人情報にアクセスすることを許可すると回答している。また、63%は情報の共有と引き換えに、よりパーソナライズされたアドバイス、ローンのスピード審査・承認といった優遇サービス、より競争力のある料金設定といった金銭的なメリットを求めている。保険会社に対しては、57%が個人情報にアクセスすることを許可すると回答しており、64%がそれと引き換えによりパーソナライズされたアドバイスを求めている。

 アクセンチュアでは、今回の回答者について、遊牧民型(Nomads)、狩猟民型(Hunters)、品質重視型(Quality Seekers)の3つのタイプに分類している。

 遊牧民型は、積極的にデジタルツールやサービスを活用し、新しいデリバリーモデルを受け入れる準備ができている人たちで、回答者の39%がこのタイプに相当するという。発展途上国ではその割合が高く、ブラジルではこのタイプが60%以上を占めている。

 狩猟民型は、最も得をする方法を探し求めるグループで、今回の回答の17%がこのタイプに相当し、年齢層がやや高めの傾向にある。

 品質重視型は、高品質で迅速なサービスおよびデータ保護を求めるグループで、回答者の44%がこのタイプに相当する。

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