全日本空輸(ANA)が「機体生産管理システム」で利用するSAPシステムのユーザーインターフェースを改善し、データ入力の負荷を大幅削減した。NTTデータ エンタープライズ・アプリケーション・サービス(NTTデータ EAS)が2月28日に発表した。
この取り組みでは、米Synactiveの「Liquid UI」を導入。SynactiveはSAPのUIカスタマイズ製品を提供する。Liquid UIは、SAP ERP モジュールのUIを最適化するための製品だ。カスタマイズ作業はANAシステムズとNTTデータ EASが担当した。
機体生産管理システムは、整備士への作業指示、技術部門の技術要求データ管理、訓練管理部門の訓練・審査の計画などで2000人以上が利用する。SAPで構築されているが、従来は複雑な画面を複数切り替えながらデータを入力してきた。同システムに入力されるデータは、航空機の運行に影響する場合があり、常に慎重な入力が要求されることが担当者の重荷になっていた。
今回の改善では、プッシュボタンの選択機能を加え、各詳細画面へナビゲーションできるメニューを準備した。また、初期値の設定、入力による他項目値の自動連携機能などを実装、複数のタブ統合、トランザクション画面の統合、ポップアップ画面の最小化を行い、画面遷移の軽減を図った。さらに、複数画面連携の場合の事前データ整合性チェック機能も実装している。
このプロジェクトは、SAPシステム自体に大幅な改修を加えることなく、7カ月間で完了。2016年11月30日から稼働している。