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デジタル変革の原動力は「顧客体験」、障害は「社内の縄張り争い」 - (page 3)

Charles McLellan (ZDNet UK) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-03-07 06:30

 このレポートの要点は以下のようなものだ。

 顧客体験は、デジタル変革を推進する理由のトップに位置づけられており(ただし、ITとマーケティングはある程度技術に対する投資に影響を与えている)、デジタル変革担当役員のうち55%が、もっとも重要な触媒として「顧客の行動や好みの発展」を挙げている。その一方で、過去1年以内にカスタマージャーニーを分析したか、現在分析中だと答えた回答者は約半分(54%)にすぎない。

 組織で進められているデジタル変革の取り組みのうちトップ3は、イノベーションの加速(81%)、ITインフラの近代化(80%)、業務の俊敏性の向上(79%)である。デジタル変革の責任者でもっとも多いのはCMOだが(34%)、デジタル変革の今後を見通す複数年のロードマップを策定している企業は29%しかない。

 前述の通り、Altimeterの調査によれば、デジタル変革のもっとも大きな原動力は顧客の行動だった。その後には、新たな市場を開拓する必要性、競争上の圧力への対応、新たな規制やコンプライアンス標準への対応など続いている。


Altimeterの調査によれば、デジタル変革のもっとも大きな原動力は顧客の行動だった。
提供:Altimeter

 調査会社451 Researchが実施した、デジタル変革に注目した最新の調査も、このプロセスがまだ初期段階にあることを強調している点で、ForresterやAltimeterの調査と共通している。2016年4月の調査に応じた企業のうち、正式にデジタル変革戦略を策定したと答えたのは4分の1以下(22%)だが、戦略の策定を検討あるいは計画している企業は36%あり、まったく戦略を持っていない企業は29%だった。


提供:451 Research

 同社によれば、デジタル変革の主な原動力は、インテリジェンス(データから知見を獲得し、データ駆動型の意思決定に移行する)、俊敏性(「デジタル化による破壊的改革はすべての企業に迫っている」ため、必要不可欠)、顧客中心主義(「個人に合わせたマーケティングの時代がやってきており、あいまいな人口統計に合わせて個人をグループ化するどころか、顧客がどのスーパーマーケットのどの通路を歩いているか、あるいはどのホテルのロビーに入ったかまで正確に把握可能になっている」)の3つだ。

 デジタル化によって変わった企業の側面として、451 Researchは、情報の使い方、ビジネスプロセス、技術プラットフォームの3つを挙げている。

 情報の使い方が変革されたことで、複数のコミュニケーションチャネルを利用した顧客との双方向の関わりが可能になり、高度なアナリティクスと機械学習から得られたデータから知見を抽出できるようになった。ビジネスプロセスの変革には、文化的な転換と技術的な転換の両方が必要となる。例えば、「Slack」などの最新のコラボレーションツールの導入や、IT部門におけるアジャイルなDevOpsの導入などがそれにあたる。その一方で、技術プラットフォームの変革は、分断されたオンプレミスの基幹システムから、ハイブリッドクラウド環境で動作する、APIやマイクロサービスを使った柔軟な「エンゲージメントシステム」への移行に関するものだ。

 もっとも新しい調査は、Adobeの「2017 Digital Trends」だろう。これはヨーロッパ・中東・アフリカ地域、北米地域、アジア太平洋地域のデジタルマーケティングとeコマースを専門とする1万4163人のプロフェッショナルを対象とした大規模な調査で、2016年の11月と12月にAdobeとEcoconsultancyの共同で実施された。概要は次の通りだ。

 回答者の5分の1強(22%)は、2017年のもっとも刺激的なチャンスとして、顧客体験の最適化を挙げた。これらの回答者は、モバイル以外に、IoT、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)などにも注目している。ところが、2017年の調査では、マーケティングの優先順位リストの中で、データの役割の順位が2016年よりも下がっている。これは、すでに投資が終わったことを示している可能性がある。

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