ビジネスのデジタル化状況
次にビジネスのデジタル化の状況は、売上高別では「実施している」「検討中」の割合が1兆円以上の企業で最も高く、100億円未満が最も低い。売上高の規模が大きいほど、デジタル化への取り組みが積極的だった。
売上高別 ビジネスのデジタル化の検討状況、出典:JUAS
業種別では金融が最も進んでおり、12.5%が「実施している(成果あり)」と回答した。サービスや社会インフラ、建築・土木でも他業種に比べて高い傾向を示しており、機械器具製造は「実施している(成果あり)」が低いものの、「実施している(効果検証中)」「検討中」を含めると金融に次ぐ進捗ぶりとなっている。
業種グループ別 ビジネスのデジタル化の検討状況、出典:JUAS
グラフには無いが、自由記述では特にIoTへの期待が高く、「製造機器の情報収集と分析」「ウェアラブルによる保守作業の高度化と効率化」「工場内での人の動きの分析と効率化」などの取り組みが挙げられた。IoT以外では「消費者行動分析」「顧客向けクーポン」「AIとレコメンドを組み合わせた販売促進」などマーケティング関連が目立った。
デジタル化の推進体制は、商社・流通以外の全業種で「IT部門と事業部門の共同チーム中心(組織化はされていない)」が最多を占めた。商社・流通では「IT部門中心」が最も多い。「デジタル化専門部門中心」の回答は金融や商社・流通でやや多く挙げられたが、多くの業種で専門組織化にまでは至っていない様子がうかがえる。