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日本株展望

人手不足が常態化--サービス業にインフレ圧力

ZDNet Japan Staff

2017-03-07 12:33

今日のポイント

  1. 人手不足でヤマト運輸が宅急便のサービス縮小を検討し始めている。これを契機に今後、トラック業界で料金引き上げが広がる可能性がある
  2. 少子化で慢性的な人手不足が続いていることから、サービス産業では料金引き上げが通りやすくなってきている。モノの値段は上がりにくいが、サービス業ではインフレ圧力が生じつつある

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

人手不足で限界、ヤマト運輸が宅急便のサービスを縮小へ

 ヤマトHLDG(9064)の主要子会社であるヤマト運輸は、増え続ける宅配便の需要に人員確保が追いつかず、時間帯指定の配達を見直す方針を固めた。

宅配便取扱個数の推移:2012年度~2015年度

(出所:国土交通省)
(出所:国土交通省)

宅配便(自動車輸送)の取扱個数シェア:2015年度

(出所:宅配便シェアは国土交通省)
(出所:宅配便シェアは国土交通省)

 ヤマト運輸の宅急便取扱個数は年々伸びており、今期(2017年3月期)も約8%の増加が見込まれている。ところが、人件費やサービス内容を維持するための追加コストが膨らみ、ヤマトHLDGの今期(2017年3月期)経常利益(会社予想)は、前年比15.4%減の580億円となる見込みだ。

 長時間労働が慢性化し、宅配便の現場は疲弊している。残業時間を制限し、料金の引き上げを図らなければならない段階に入っている。料金引き上げを受け入れない荷主からは、運送を引き受けない覚悟が必要になっている。

 宅配便最大手のヤマト運輸が本格的な料金引き上げに動けば、業界全体に料金正常化の動きが広がるだろう。その時期が近づいていると考えられる。

人手不足が常態化

 少子化で人手不足が深刻化している。今後、好不況にかかわらず、慢性的な人手不足が続く可能性がある。

日本の完全失業率(季節調整済)と、有効求人倍率の推移:2012年1月~2017年1月

(出所:完全失業率は総務省、有効求人倍率は厚生労働省、有効求人倍率は新規学卒者を除きパートタイムを含むベース)
(出所:完全失業率は総務省、有効求人倍率は厚生労働省、有効求人倍率は新規学卒者を除きパートタイムを含むベース)

 厚生労働省が3日に発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)【注】は1.43倍と、高水準を維持している。国内景況が回復している効果もあるが、それ以上に、少子化の影響で求職者数が減ったことが有効求人倍率の上昇につながっている。

 【注】有効求人倍率:求人数を求職者数で割ったもの。労働需給がひっぱくし、求人数が求職者を上回ると倍率は1倍を超える。有効求人倍率1.43倍は、求職者1人に対して求人が1.43人分ある状態を示す。

 なお、同日、総務省が発表した1月の完全失業率は3.0%だった。事実上「完全雇用」といえる状態が続いている。

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