土足厳禁、脱・地球防衛軍
IIJ セキュリティ本部 本部長の齋藤衛氏
今回の公開は8日の本格稼働を前に実施されたもので、通常では一部の関係者を除いて立ち入ることができない場所だ。幾つもの入退室管理システムを経て入るオペレーションスペースは土足厳禁となる。新しい施設ということもあるが、クリーンで安全なIT環境を守るための場所という担当者の“こだわり”があるそうだ。
また、オペレーションスペース内の大型ディスプレイにも“こだわり”があるとのこと。従来型のSOCでは、地球防衛軍の作戦指令室をイメージさせるような100~200インチクラスの巨大モニターを中央に配置し、その周辺にディスプレイを設置しているレイアウトが多い。しかし、同社の新SOCには巨大モニターが無い。
「巨大モニターは、実は顧客が見学する時にだけ表示して、普段は使わないケースが多いと聞いている。それよりは、担当者が必要な情報を適切に把握できるレイアウトの方がよいと考えた」(齋藤氏)
リニューアルに伴い、SOCの心臓部となる脅威情報分析基盤も刷新された。この基盤には、同社が運用管理しているインターネットバックボーンからの情報やセキュリティシステムからの情報、独自の調査研究に基づく情報や外部のセキュリティ機関の情報が収集され、機械学習や分析アルゴリズムを用いた自動解析を実施する。エンジニアやアナリストは精査された情報をもとに、インシデントの状況を判断したり、対策を検討したりすることで、膨大な数のセキュリティアラートやインシデントへ効率的に対応するのが狙いだ。
SOCとともに刷新した情報分析基盤には膨大なセキュリティ関連の情報が集約される
同社は、3月から新SOCを利用した企業向けのセキュリティ監視サービスの提供を本格化させ、2020年までに100社の利用を見込む。企業でのサイバーセキュリティ需要が高まる一方で、セキュリティのエンジニアやアナリストなどの人材が足りないとされており、同社ではセキュリティ人材の育成も強化しているという。