働きやすさを重視--脱「地球防衛隊」の新セキュリティ監視センター、IIJが公開 - (page 2)

國谷武史 (編集部)

2017-03-08 07:00

土足厳禁、脱・地球防衛軍


IIJ セキュリティ本部 本部長の齋藤衛氏

 今回の公開は8日の本格稼働を前に実施されたもので、通常では一部の関係者を除いて立ち入ることができない場所だ。幾つもの入退室管理システムを経て入るオペレーションスペースは土足厳禁となる。新しい施設ということもあるが、クリーンで安全なIT環境を守るための場所という担当者の“こだわり”があるそうだ。

 また、オペレーションスペース内の大型ディスプレイにも“こだわり”があるとのこと。従来型のSOCでは、地球防衛軍の作戦指令室をイメージさせるような100~200インチクラスの巨大モニターを中央に配置し、その周辺にディスプレイを設置しているレイアウトが多い。しかし、同社の新SOCには巨大モニターが無い。

 「巨大モニターは、実は顧客が見学する時にだけ表示して、普段は使わないケースが多いと聞いている。それよりは、担当者が必要な情報を適切に把握できるレイアウトの方がよいと考えた」(齋藤氏)

 リニューアルに伴い、SOCの心臓部となる脅威情報分析基盤も刷新された。この基盤には、同社が運用管理しているインターネットバックボーンからの情報やセキュリティシステムからの情報、独自の調査研究に基づく情報や外部のセキュリティ機関の情報が収集され、機械学習や分析アルゴリズムを用いた自動解析を実施する。エンジニアやアナリストは精査された情報をもとに、インシデントの状況を判断したり、対策を検討したりすることで、膨大な数のセキュリティアラートやインシデントへ効率的に対応するのが狙いだ。


SOCとともに刷新した情報分析基盤には膨大なセキュリティ関連の情報が集約される

 同社は、3月から新SOCを利用した企業向けのセキュリティ監視サービスの提供を本格化させ、2020年までに100社の利用を見込む。企業でのサイバーセキュリティ需要が高まる一方で、セキュリティのエンジニアやアナリストなどの人材が足りないとされており、同社ではセキュリティ人材の育成も強化しているという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]