3つの視点で知るOracle DB最新版の注目点--インメモリ、ビッグデータ、クラウド - (page 3)

國谷武史 (編集部)

2017-03-08 17:03

クラウド環境への対応強化

 最後の「クラウド」は、マルチテナントへの対応強化になる。12cでは仮想化によって個々のデータベース環境をコンテナ(プラガブルデータベース)として扱える「コンテナ・データベース」という仕組みを取り入れており、Mendelsohn氏はDB 12.2においてプラガブルデータベースをより柔軟に利用できると解説する。

 コンテナ・データベースでは、例えば、ERPやCRM、データウェアハウスといったアプリケーションごとのプラガブルデータベースを短時間で構築する、あるいはオンプレミスからクラウドへの展開といった作業が容易になるほか、多数のプラガブルデータベースを集中管理したり、サーバなどリソースをより効率的に利用したりできるようになる。

 DB 12.2では、プラガブルデータベースのクローン作製や最新データへのリフレッシュ、再配置といった操作が容易になった。また、プラガブルデータベースごとにメモリやCPU、I/Oなどのリソース優先順位付けが可能になり、セルフサービスを通じたプロビジョニングやデプロイなども容易になるなど、マルチテナントのクラウドサービス環境に向けた機能強化が図られている。


プラガブルデータベースではきめ細かい管理が可能に

 この他にも、巨大なデータベースを多数の小さなデータベースに分割(シャーディング)できるようになった。例えば、本社のデータベースを北米や欧州、アジアといった事業地域ごとにシャーディングすることで、1つのデータベースをきめ細かく利用できる。Mendelsohn氏によれば、特にグローバルで利用するOLTPのアプリケーションでは、シャーディングによる小規模なデータベースが適している。


大規模データベースを小さく便利に使う

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]