クラウド環境への対応強化
最後の「クラウド」は、マルチテナントへの対応強化になる。12cでは仮想化によって個々のデータベース環境をコンテナ(プラガブルデータベース)として扱える「コンテナ・データベース」という仕組みを取り入れており、Mendelsohn氏はDB 12.2においてプラガブルデータベースをより柔軟に利用できると解説する。
コンテナ・データベースでは、例えば、ERPやCRM、データウェアハウスといったアプリケーションごとのプラガブルデータベースを短時間で構築する、あるいはオンプレミスからクラウドへの展開といった作業が容易になるほか、多数のプラガブルデータベースを集中管理したり、サーバなどリソースをより効率的に利用したりできるようになる。
DB 12.2では、プラガブルデータベースのクローン作製や最新データへのリフレッシュ、再配置といった操作が容易になった。また、プラガブルデータベースごとにメモリやCPU、I/Oなどのリソース優先順位付けが可能になり、セルフサービスを通じたプロビジョニングやデプロイなども容易になるなど、マルチテナントのクラウドサービス環境に向けた機能強化が図られている。
プラガブルデータベースではきめ細かい管理が可能に
この他にも、巨大なデータベースを多数の小さなデータベースに分割(シャーディング)できるようになった。例えば、本社のデータベースを北米や欧州、アジアといった事業地域ごとにシャーディングすることで、1つのデータベースをきめ細かく利用できる。Mendelsohn氏によれば、特にグローバルで利用するOLTPのアプリケーションでは、シャーディングによる小規模なデータベースが適している。
大規模データベースを小さく便利に使う