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日本株展望

来週の米利上げは織り込み済み - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2017-03-09 12:04

米長期金利が伸び悩んでいることが気がかり

 米利上げが確実視されるに至ったことに反応し、短期金利がすぐ上昇したのに比べると、長期金利(10年金利)の伸びは鈍いといえる。2.5%近辺から上へ抜けていない。より長い期間で見ると、長期金利が本格的な上昇トレンドに入ったとはまだ言えない。

米長期(10年)金利の推移:2012年1月~2017年3月(8日まで)

米長期(10年)金利の推移:2012年1月~2017年3月
(注:楽天証券経済研究所が作成)

 2013年以降の長期金利の動きを上のグラフにつけた3つの矢印(1)(2)(3)で説明すると以下の通りだ。

(1)バーナンキショックで長期金利が急上昇

 2013年5月に当時FRB議長であったバーナンキ氏が「将来、金融緩和の縮小が必要になる」と発言したところからドル金利が急上昇。実際に金融緩和の縮小(テーパリング)が始まる2013年1月の直前には、一時長期金利が3%を超えた。

(2)グローバルなデフレ進行で長期金利が低下

 米FRBは、2014~2015年に量的金融緩和を終了し、利上げを実施した。ところが、その間、米長期金利は低下が続いた。資源価格急落、世界景気減速を受けて世界的にデフレ・金利低下が進んだことが影響した。

 具体的には、米FRBは2014年1月に金融緩和の縮小を開始、2014年10月に量的金融緩和を終了、2015年12月に最初の利上げ(ゼロ金利の廃止)を実行したが、2016年6月まで長期金利は低下が続いた。

(2)トランプラリーで長期金利が上昇

 長期金利は、世界景気の底打ち、回復を反映して2016年7月から底打ちした。トランプ大統領が大統領選に勝利した2016年11月から上昇ピッチが加速した。2017年に入ってからは再び伸び悩んでいる。

 長期金利はまだ、2013年12月につけた3%に到達していない。米FRBが利上げをしても、短期金利ばかり上がり、長期金利は伸び悩む可能性もある。言い換えると、世界の金融市場はまだ、世界経済が本格的なインフレ・長期金利上昇局面に入ったとは認識していないことになる。

 ドル円が、1ドル115円を抜けて一段のドル高(円安)に向かわないのは、ドル長期金利の上値が重いことが影響している可能性もある。

今後の注目点

 1ドル115円を抜けて円安が進むためには、ドル短期金利だけでなく、長期金利も上昇する必要があると思われる。

 3月15日に予想通り米FRBが0.25%の利上げを実施した際、以下の3点に注目したい。

  1. 6月の再利上げ予想が広がるか?
  2. ドル長期金利が上昇するか?
  3. 1ドル115円を超えるドル高(円安)が進むか?

 予想通り利上げがあった後の金融市場で、上記の1~3がすべて「はい」になると、日経平均は一段高になると予想される。

 窪田氏は、すぐに6月の利上げ予想が高まるとは考えていないという。ただし、年内に再度利上げがあるとの予想は続き、ドル長期金利は2.6%以上に上昇、1ドル115円を超えるドル高(円安)が進む局面があると予想しているという。そうなると、日経平均は2万円台に乗せると予想される。

 ただし、1~3がすべて「いいえ」になると、日経平均は上値の重いまま膠着が続くと考えられる。3月14~15日のFOMCにかけてドル金利・為替の動きに注目したい。

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