「Firefox 52.0」がリリース--WebAssemblyをサポート、セキュリティも強化

Steve Ranger (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 長谷睦 (ガリレオ)

2017-03-09 11:24

 Mozillaが、複雑なアプリをこれまでよりはるかに速くブラウザ上で動かせるとうたう「Firefox」の最新バージョンをリリースした。

Firefoxのロゴ

 最新版の「Firefox 52.0」では、新しいバイナリフォーマット「WebAssembly」のサポートが追加された。これにより「ゲームやアプリでネイティブに近いパフォーマンス」が実現するという。

 Mozillaによれば、複雑すぎてこれまではブラウザ上の動作が困難だったアプリケーションが、WebAssemblyを使うことでより快適に動かせるようになるという。こうしたアプリケーションには、3Dビデオゲーム、CAD、動画や画像の編集、サイエンティフィックビジュアライゼーションなどが含まれる。また、開発者がWebAssemblyを使用して、既存のウェブアプリの多くを高速化できるとしている。

 WebAssemblyを使えば、開発者はJavaScript以外の言語で書かれたコードを移植してウェブブラウザ内で実行できるようになる。また、ブラウザ内でのコンパイルおよび実行がはるかに速い低水準言語でのコード作成も可能になる。これにより開発者は、動画再生処理などの多くのリソースを消費するプロセスを独立したプロセスとして実行するウェブアプリを作成し、既存のアプローチと比べてさらに高速化することができる。

 そのほかにも、Firefox 52.0では、ブラウザによる「キャプティブポータル」の判別を簡略化し、一部のWi-Fiスポットへのログインを簡単にする機能が追加された。キャプティブポータルは、ホテルのWi-Fiサービスのログインページなどで利用されている仕組みだ。具体的には、キャプティブポータルを自動的に判別し、インターネットへのアクセスにログインが必要な場合にはそのことをユーザーに通知してくれるという。

 セキュリティ面では、HTTPSを使用していないページでユーザーがユーザー名やパスワードの入力欄を選択すると、「この接続は安全ではありません」というメッセージが表示されるようになった。

 また、「Netscape Plugin API」(NPAPI)を使用する「Flash」以外のプラグインがすべて無効にされた。「Silverlight、Java、Acrobatなどが使用できなくなる」とFirefoxはリリースノートで説明している。Mozillaはまた、2017年内に「Firefoxをさらに改善」し、ユーザーが承認した場合にのみ、Flashを使ったコンテンツが起動されるようにするとの意向を示している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]