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日本株展望

米国株はバブル?--世界市場の核心を再点検

ZDNet Japan Staff

2017-03-10 12:25

今日のポイント

  1. 堅調を続けていた米国株式に高値警戒感が台頭している。S&P500指数ベースの予想PERは約18.3倍に上昇し、過去四半世紀における算術平均(16.8倍)を上回っている
  2. ただ、金利水準を加味したバリュエーション面で「米国株はバブル」とは言えず、「株式は金利と比較すれば割安」(Buffett氏)との見方を裏付ける金利調整後PERに注目
  3. 米金利の上昇加速には警戒を要する。追加利上げが見込まれる来週のFOMCでは、当局者の金利見通し修正に注目。日米金利差拡大ならドル高、円安が進むとみたい

 これら3点について楽天証券経済研究所シニアグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。

米国株式でみられる高値警戒感

 米ダウ平均は、3月1日に最高値を更新して以降、上値の重い展開で推移している。昨秋の米大統領選挙(11/8)以降に30回以上最高値を更新してきた株価上昇の後だけに、高値警戒感は台頭しやすく、短期的な株価調整はむしろ健全と考えられる。

 ダウ平均よりも幅広く米国株の趨勢を示すS&P500株価指数と予想PER(株価収益率)の推移をみると、2017年の市場予想EPS(1株あたり利益)をベースにした予想PERは約18.3倍となっており、過去四半世紀(25年間)の算術平均(16.8倍)よりやや高い水準だ(図表1)。

 ただ、大局的にみると、同期間の主なPERレンジ(平均±σ(標準偏差)=13.7~19.9倍)には収まっており、「ITバブル」と称された1999年から2000年にかけての予想PER(26倍台)は大きく下回っている状況だ。

 また、現在のような「業績相場」(業績の改善や成長を織り込む相場)では、PERが先行して拡大しやすい特徴があることにも留意したい。とはいえ、米国株高は世界株高のエンジン(核心)だったので、米国株の調整が深くなる場合は、リスクオフ(回避)による円高や日本株安につながる可能性があるので警戒が必要だ。

図表1:S&P500指数と予想PERの推移(過去25年間)


(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(3月9日))

金利調整後PERからは「米国株はバブルではない」

 株価が「割安か割高か」を判断するための一般的な指標として、PER(株価収益率)が用いられることが多い。ただ、前述したように景気や業績の見通し改善を織り込んで株価が上昇していく局面(「業績相場」)では、予想PERが先行して拡大することがあり、PERの水準だけで割高、割安を判断するにも限界がある。

 「史上最高の投資家」と呼ばれるWarren Buffett氏(米国の大富豪で投資会社Berkshire HathawayのCEOかつ筆頭株主)は、その発言が金融市場で注目されている。

 同氏はCNBCとの単独インタビュー(2月27日)で「米国株はバブルではありませんか」と問われた際、「米国株はバブルの領域にない。金利と比較すればまだ割安な方だ。長期金利が7~8%程度に上昇したらバブルを警戒すべきかもしれない。米経済のダイナミズムは顕著で、しばらくはいかなる大統領のもとであっても順調に推移する」などと述べた。

 この内、「金利と比較すればまだ割安」との論点を確認するデータを示したのが図表2だ。上段のグラフが示す通り、米長期金利は(最近やや上昇したとはいえ)いまだ歴史的には低位にある。したがって、下段のグラフが示す「金利調整後PER」(予想PER×長期金利)は、過去25年の算術平均(0.76倍)を大きく下回る0.46倍に位置している。すなわち、長期金利を加味したバリュエーション(予想PER)面からは「バブル」に至ってないことが分かる。

 参考までに、「ITバブル時(1999年末時点)」の予想PERは26.9倍、長期金利は6.44%だったので、金利調整後PERは1.73倍と極めて高かったことが分かる。その後、2000年にハイテク株を中心に株価が大幅調整に見舞われた相場は「バブル崩壊」と呼ばれた。

図表2:S&P500指数、米長期金利、金利調整後PER(過去25年間)

金利調整後PER
(注:金利調整後PER(株価収益率)=S&P500指数ベースの予想PER×米長期金利(10年国債利回り))
(出所:Bloombergのデータをもとに楽天証券経済研究所作成(3月8日))

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