インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月13日、マルチクラウド環境を一元的に運用・監視できるクラウドサービス「IIJ統合運用管理サービス」を発表した。4月1日から提供する。IIJが蓄積した運用管理のナレッジを活用することによって、マルチクラウド環境を効率よく運用するためのソフトウェア機能を実現したとしている。
IIJ統合運用管理サービスのメニュー構成
IIJの執行役員でクラウド本部長を務める立久井正和氏
機能は大きく、(1)マルチクラウドの一元管理、(2)アラート処理の自動化による運用の効率化、(3)傾向予測による予防保全――の3つで構成する。
IIJ統合運用管理サービスを提供する背景について「IIJのクラウドサービスを利用しているユーザーの7割以上は他社のクラウドサービスを併用している」と説明するのは、IIJの執行役員でクラウド本部長を務める立久井正和氏。しかし、マルチクラウド環境には課題があると立久井氏は指摘する。
IIJでは、マルチクラウド環境が抱える課題を解決する各種の製品サービスを提供しており、今回のIIJ統合運用管理サービスはシステム運用上の課題を解決するものになる。「マルチクラウド環境におけるシステム運用の課題は、サイロ化していること。一元管理機能の提供によって、この課題を解決する」(立久井氏)
マルチクラウド環境を一元的に監視・管理可能に
(1)1つめの機能として、単一の画面でマルチクラウドを一元的に監視する機能を提供する。クラウドサービスのアカウントIDを一元的に管理し、クラウドサービスの監視アラート情報とイベント情報を一元化する。構成情報やリソース情報も、クラウドサービスから自動で取得して一元的に把握できるようにする。
マルチクラウド環境を一元的に監視できる。Azureについてはサポート窓口の機能もIIJが提供する。Azure以外の他社クラウドサービスは順次対応する
さらに、本来であればクラウドサービスごとに異なっているサポート窓口を、IIJが一元化する。ユーザー企業は、IIJを窓口として、それぞれのクラウドのサポートを受けられる。
IIJでは、オンプレミスシステムを対象に、ハードウェアベンダーの保守サービスの窓口となるサービスを提供している。今回、この延長線上にあるサービスとして、クラウドサービスのサポート窓口となるサービスを開始する。
4月1日のサービス開始当初にサポート窓口の機能を提供するクラウドサービスは、IIJのクラウドサービスの他は、Microsoft Azureに限られる。他のクラウドサービスについては4月以降順次対応する。