海外コメンタリー

「ニューノーマル」化するクラウドはどこまで浸透するのか - (page 3)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-03-21 06:30

 「これまで長い間、Excelのスプレッドシートなどの重要な文書を内部で電子メールで共有してきたが、情報を入力したり、顧客セグメンテーションを詳細に分析したりする際、データが最新のものかどうかを知る者はいなかった」と同氏は語る。「情報がどれだけ正確かは分からず、見込み客や売上を確保して決算に貢献する責任がどれだけあるかは、多くの場合はっきりしなかった」

 Speake氏によれば、クラウドコンピューティングはマーケティング担当者の力を増幅してくれるという。これは、CRMデータへのリアルタイムアクセスや、自動化されたマーケティングやコミュニケーションの統合環境によって可能になる。繰り返しになるが、同氏は従業員全員がクラウドベースのサービスから最大限にメリットを享受できるようにするには、(CIOよりはむしろ)CMOが重要な役割を果たすと述べている。

 「その理由の一部は、短期的及び長期的な売上の可能性に基づいて、セールス担当者が常に顧客の優先順位を評価できるようにすることがCMOの職務だからだ。同様に、CMOは組織のビジネスモデルに基づいて、マーケティングコミュニケーションを見直し、見込み客を取り込んだり、既存顧客の維持活動を行ったりする必要がある」(Speake氏)

4.あらゆる場所で教育や能力開発が可能に

 英国の歴史あるインデペンデントスクールLady Eleanor Holles SchoolでICTディクレクターを務めるMatt Britland氏によれば、同校では「Google Apps for Education」と「Microsoft Office 365」が利用されているという。どちらのアプリケーションも、学校の組織内で管理されている。学校業務で使用する秘密情報はクラウドには保存されていない。しかし、教育ではすでにテクノロジが重要な役割を果たしており、今後その役割は大きくなっていく一方だ。

 「クラウドは、インターネットに接続されたデバイスさえあれば、生徒たちがどんな場所でも勉強できるようにしてくれる。クラウドは未来の教育の一部にならねばならない。これは、クラウドがどこでも勉強できる環境を実現できるからだ」(Britland氏)

 同氏は現在、生徒たちがグループで学習し、プロジェクトで協力できる、クラウドベースのプロジェクトを進めている。また同校では、クラウド生産性アプリの利用をスタッフにも拡大した。Britland氏は、適切な準備が重要だと述べている。

 「ソフトウェアやそのメリットを、クラウドをよく知らない人に説明するのは難しい場合がある」と同氏は言う。「それには適切なトレーニングが必要であり、私はトレーニングコースを用意している。しかし教育のプロフェッショナルの多くは、新たなチャンスについて学び、可能性を探ることに敏感だ」(Britland氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]