編集部からのお知らせ
新着の記事まとめPDF「NTT」
おすすめ記事まとめ「MLOps」
ネットワークセキュリティの要諦

東京五輪に20万人が不足--「サイバーセキュリティ人材育成」の今 - (page 4)

松原 実穗子

2017-03-30 07:00

 今日でも、日本のほとんどのCISOは必ずしもサイバーセキュリティの経験があるとは限らないため、CISOに任命された場合はサポートするチームが必要になります。

 一方、米国の雇用市場は柔軟性が高く、専門知識や専門性の蓄積を高く評価します。サイバーセキュリティを一生のキャリアで追求した場合、頂点として目指せるのがCISOでありCISOになりたい場合、他の組織における豊富なサイバーセキュリティの経験が求められます。

 ただ、サイバーセキュリティのキャリアパスだけを特別扱いすることは難しいため、他の専門職とのバランスを取る必要があり、キャリアパス構築と文化のパラダイムシフトには少なくとも数年はかかるものと思われます。


まとめ

 検討会が次に目指しているのは、教育界や政府と協力し、バランスの取れたエコシステムの中でサイバーセキュリティ技術者を育成、維持していくための具体的な措置を実施していくことです。

 検討会のメンバーは、サイバーセキュリティを将来のビジネスリスク管理のための投資としてとらえています。しかし日本企業の中にはいまだにITを投資する対象としてではなく、効率向上とコスト削減をもたらすための手段と認識しているところもあり、サイバーセキュリティをコストとしてとらえる考え方は簡単に変わらないかもしれません。

 ただし、「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」が指摘しているように、サイバー攻撃が避けられないリスクとなっている今、政府は、「経営戦略としてのセキュリティ投資は必要不可欠かつ経営者としての責務」と考えており、日本企業の文化と発想の転換が求められています。

松原 実穗子
パロアルトネットワークス株式会社 最高セキュリティ責任者(CSO Japan)
防衛省で9年間勤務後、米国大学院にて国際関係・国際経済学の修士号を取得。その後、ハワイのシンクタンクにて、地政学的な観点でサイバーセキュリティ問題に取り組む。
日本に帰国後は民間企業に移り、政策を中心としたセキュリティの責任者を務める。これまで日本政府の情報セキュリティ戦略に関わる委員会の一員としても選定されている。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]