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ネットワークセキュリティの要諦

女性がサイバーセキュリティの現場から取り残されてきた理由 - (page 3)

松原 実穗子

2017-03-31 07:00

まとめ

 先ほどあげた文化的な側面により、サイバーセキュリティに関する国際的な議論においてさまざまな知見を共有し、議論から学ぶ機会を日本は残念ながら逸しています。しかし、日本がこうした国際的な対話に参加する必要性は、今まで以上に増していきます。

 日本が2020年に東京五輪を主催し国際連携が不可欠である以上、日本からの情報発信が必須だからです。日本がどのようなサイバーセキュリティ上の政策面、技術面、安全保面、法律面などでの取り組みをしているのか、どのような人材が必要なのか、日本から情報を発信しなければ、国際協力は不可能です。


 だからこそ、サイバーセキュリティ人材を増やし国際人材も育成しようとしている日本にとって、欧米で活発化している多様性(ダイバーシティ)に関する議論を今取り入れる必要があります。女性など、サイバーセキュリティ業界の少数派を雇用し、維持するためにどうしたらよいのか、見極めなければなりません。

 国際的なサイバーセキュリティ人材を獲得していく上での障害を除くのは困難であり、一夜にして成し遂げられるものではありません。日本のサイバーセキュリティ人材がサイバーセキュリティに関する国際的な議論の場やカンファレンスに参加すれば、言語の壁や文化の違いに直面するでしょう。しかし、こうした議論へ参加していけば、長期的に日本とそして世界を助け、より安全安心な日本と世界にする上で役立ちます。

 カンファレンスルームの少数派であることに恐怖心を感じる方もいらっしゃるでしょう。少数派がミーティングやカンファレンスで発言するのは勇気がいることです。しかし、サイバーセキュリティがますます複雑になり、国際的課題となる中、異なる文化や背景について語れる知見は議論にとって有益です。

 日本のサイバーセキュリティの強化、国際協力、国際的議論への貢献のためにも、今まで以上にサイバーセキュリティ人材の増強、多様化が求められています。東京五輪に向けて官民で次期サイバーセキュリティ人材育成プログラムを作ろうとしている2017年は、今一度、必要なスキルや知見、人材のあり方を考える千載一遇のチャンスです。

松原 実穗子
パロアルトネットワークス株式会社 最高セキュリティ責任者(CSO Japan)
防衛省で9年間勤務後、米国大学院にて国際関係・国際経済学の修士号を取得。その後、ハワイのシンクタンクにて、地政学的な観点でサイバーセキュリティ問題に取り組む。
日本に帰国後は民間企業に移り、政策を中心としたセキュリティの責任者を務める。これまで日本政府の情報セキュリティ戦略に関わる委員会の一員としても選定されている。

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