海外コメンタリー

IoTでビジネス価値を生み出す--企業における10の活用例

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-03-22 06:30

 企業がIoTの活用方法を模索し続けるなか、興味深い事例も登場してきている。以下では、企業におけるIoT利用の代表的な例を紹介する。


提供:iStockphoto/Jirsak

 IoT市場が爆発的な成長と発展を続けるなか、ますます多くの企業がコネクテッドデバイスや、それらデバイスの生成するデータからビジネス上の価値を生み出す方法を模索するようになっている。米調査会社Gartnerの予想によると2020年までに、主な新規業務プロセスや新規システムのうちの半数以上がIoTの要素を取り込むようになるという。

 しかし、企業がこれらのデバイスをどこに配備するのかや、どのように使用するのかは垂直市場によって異なっている。以下では、企業が実際にビジネス価値を生み出すためにIoTをどのように配備しているのかについて、10の例を挙げて説明する。

#1:データセンターの監視や管理、自動化

 451 Researchが最近実施した市場調査によると、企業のIoTへの取り組みで最も多いのは、データセンターの監視や管理、自動化だという。これらは目新しい利用方法ではない。しかし企業は、今後数年にわたって増加の一途をたどるであろう大量データの流入に取り組むために、現在のIoT製品がもたらす機能を活用できるはずだ。コネクテッドセンサによって、複数のロケーションに存在するデータセンターの監視が可能になるだけでなく、プロビジョニングといったIT作業の自動化の促進も図られる。

 451 ResearchでIoT研究の責任者を務めるChristian Renaud氏は「データの量は、人間がタイムリーな優先順位付けを行えるレベルを大きく上回ろうとしている」と述べたうえで、「このため、これらのアプリケーション向けに自動化処理を組み込んでおく必要が出てくる」と述べている。

#2:サプライチェーンと在庫の管理

 Gartnerの最近の調査によると、社内のIoTイニシアティブで最も多いのは、ワークフロー管理やサプライチェーン管理、倉庫管理といった機能を通じた運用の最適化だという。コネクテッドセンサを用いることで、企業は配送車管理の効率化や、保管中および輸送中の資産の詳細な追跡が可能になる。

 GartnerでIoT研究担当バイスプレジデントを務めるAlfonso Velosa氏によると、これはコストの削減やプロセスの最適化という、事業のオーナーや運営者の目標に合致するという。

#3:監視や、セキュリティのモニタリング

 どのようなデバイスでも、いったんネットワークに接続すると、それはデータ収集のための貴重なツールになり得るとともに、システムの管理に役立てられる可能性がある。451 Researchの調査では、自社のセキュリティシステムでIoTを活用しているとコメントした回答者もいた。

 Renaud氏は、「たいていの場合、回答者らはカメラや、電子式のドアやセンサといったシステムを有しており、それらを監視手順に統合するようになっている」と述べるとともに、「カメラを用いた動画分析(そして)、顔認識やさらに高度な技術が使われているケースもいくつかあった」と述べている。

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