時代の最先端にいれば、マインドセットは変わらざるを得ない
周辺環境の変化を受け止めるというマインドセットも必要という。
同社は1990年代後半、ソニーのポータブルオーディオプレーヤであるウォークマンの生産ラインに検査装置を納めた。当時ソニーは世界最小最軽量のモノ作りに挑戦していたが、これを支える製品サービスが無かったという。「ダントツに検査スピードが速い検査装置を出して、ここに入り込んだ」(秋山氏)
ウォークマンの生産ラインで得られた技術を生かすことによって、2000年頃には携帯電話を作ることができるようになったと秋山氏は回顧する。その後は、パソコンもノート型になり、2010年頃にはタブレットPCになった。現在では車載コンピュータも登場している。
「最初にチャンスをくれたのはソニー。ソニーが挑戦していたから、その後に携帯電話の世界に出ていけた。現在、自動車や社会インフラ分野のパートナ企業は米国や欧州の企業。時代のトップランナーの顔ぶれはどんどん変わっている」(秋山氏)
時代の最先端にいれば、マインドセットは変わらざるを得ない、と秋山氏は説く。最先端の挑戦者のビジネスパートナとなるために、将来性のある課題を見つける必要がある。「何もしないことのリスクをどれだけ実感できるかが重要だ」(秋山氏)
秋山氏は、座右の銘としているアラン・ケイの言葉で講演を締めくくった。「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創りだすことである」。