ノークリサーチは、3月21日、「2017年版 中堅・中小企業におけるIT投資の実態と展望レポート」を発表した。
これによると、2017年の中堅・中小企業全体におけるITソリューション投資規模は2兆2500億円に達することが分かった。
同調査は、「RPA(Robotics Process Automation)」「業務システム自動化/MA」「IoT(Internet Of Things)」「ワークスタイル改革」「高度なセキュリティ」「音声操作/ 音声指示」「ウェアラブル」 「FinTech 」 「VR/AR」「ドローン」「対話型ロボット」「IT運用管理アウトソーシング」など、24項目わたるITソリューション分野について、年商500億円未満の中堅・中小企業の投資意向と投資金額を尋ね、2017年の市場規模を算出したもの。調査実施時期は、2017年1月末~2月初旬で、有効回答件数は、700社。
ITソリューション分野の市場規模(一部の項目のみを抜粋)(2017年の投資予定:年商500億円未満全体)(単位:百万円)
また、24項目のITソリューション分野のうち、 「ワークスタイル改革」の市場規模(2017年の投資予定)を年商別に集計した。その結果、ワークスタイル改革は年商5億円未満の小規模企業層や年商5億円以上~50億円未満の中小企業層の市場規模が大きいことが分かった。
ワークスタイル改革市場規模(単位:百万円)(年商別)
ノークリサーチでは、情報系のシステム/サービス活用やコラボレーションツール、ウェブ会議システムなど、ワークスタイル改革が指し示すITソリューションは非常に幅広いため、IT企業が市場規模に見合った成果を上げるためには「ワークスタイル改革」という用語だけでなく、業種による違いを踏まえた具体的なITソリューションの訴求が必要になる、としている。
さらに同調査では、キーボード/マウス/タッチパネルといった手を用いた操作方法を用いずに音声(口頭)によって業務システムやIT関連サービスを利用する「音声指示/音声操作」の市場規模を業種別に集計した。その結果、一般サービス業での市場規模が最も大きくなり、次いで、卸売業、製造業の順になった。
音声指示/音声操作市場規模(単位:百万円)(業種別)
ノークリサーチでは、中堅・中小企業が取り組む可能性のある「音声指示/音声操作」として 「業務システムを音声で操作する」「音声操作端末を通じて一般消費者向けにサービスを提供する」に大別されるとし、 「業務システムを音声で操作する」ソリューションは、高度な自然言語を理解する技術よりも、騒音の中でも特定の キーワードを正確に聞き取る技術が重要となり、「一般消費者向けにサービスを提供する」ソリューションでは、人工知能/機械学習の技術も必要になってくるとした。