ディープラーニングの活用方法を工夫し計算量を削減
画像の特徴が合致するかどうか――つまり、同じ種類の画像であるかどうかを判別する手法としては、ほかの一般的な画像認識アプリケーションと同様に、AI(人工知能)の一種であるディープラーニング(深層学習)を利用している。
開発した機能のうち、「高速人物発見」では、あらかじめ大量のサンプルを学習させることによって、外見の特徴や動作の特徴についてのデータベースを作成済みとしておく。これを使って、監視カメラ画像が個々の特徴に合致するかを判別する。今回の技術では、個々の項目について判別するニューラルネットワークとは別に、複数の項目を同時に判別可能なニューラルネットワークを用意した。これらを多段で使うことによって計算量を削減している。
ディープラーニングの活用方法に工夫を凝らし、計算量を削減。個々の特徴について個別に判別するのではなく、複数の特徴を同時に判別する仕組みを用意した
もう一つの「高速人物追跡」機能では、監視カメラに映る全て人物に対して、あらかじめ全身の特徴量をディープラーニングによって算出しておく。追跡対象の人物を指定すると、その人物が映っている映像を抽出できるので、移動経路が分かる。
顔の特徴ではなく、全身の特徴で同一人物かどうかを判別する。顔が映っていなくても発見できるようになった
今回の新技術では、顔画像を利用する従来の手法と異なり、全身の特徴を利用して同一人物を抽出するため、後ろ向きの映像など顔がよく映り込んでいない映像でも同一人物を検出できる。顔画像だけを使って検出する場合と比べて、発見精度は3倍以上になったとしている。