テクノロジを絵の具やキャンバスのように使うメディアアート
エンジニアはプログラム言語という道具(ツール)を使いコンピュータというフィールドにシステムやアプリケーションなどの新たな価値を創造する。
一方、画家はキャンバスというフィールド(専門用語では支持体という)に絵筆というツールを使用し絵の具という材料を使って作品を作ってゆく。
現在、多くの美術作品はキャンバスに描かれているものがほとんどであるが、古くは石や壁面や地面がキャンバスの替わりとなっていた。
長い歴史の中で概念や技術が進歩しキャンバスに落ち着いたのである。
古代から続いているアートの歴史と比べるとITテクノロジの歴史はまだまだ浅いと言える。
さて、メディアアートという言葉を耳にしたことがあるかもしれない。
このメディアアート、絵筆の代わりにプログラムやインターフェイスをツールとして使いキャンバスの替わりにITデバイスという新たなフィールド(支持体)に作品を構築してゆく芸術活動ととらえると、わかりやすいのではないだろうか。
このメディアアートと呼ばれているジャンル、英語ではNew Media Artと呼ばれている。
長い歴史の中で石や地面がキャンバスにとって代わられたことを鑑みるとアートもテクノロジ同様、日々進化を続けているのである。
絵筆の代わりにITツールで描く画家たち
まずは、従来の絵筆で作品を作りながらも新たなITツールを使用して作品を制作している代表的な作家を紹介する。
- Julian Opie(イギリス:1958年〜)
イギリスのロックバンド、BlurのCD『ザ・ベスト・オブ』のジャケットデザインなども手掛けているのでどこかで見たことがあるかもしれない。
こちらの作品はLEDをキャンバス代わりに人々がウォーキングする作品である。