IBM InterConnect

IBMロメッティCEOがパブリッククラウドに自信の理由

末岡洋子 2017年04月01日 08時00分

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 米IBMの最高経営責任者(CEO)、Ginni Rometty氏はIBMのクラウド戦略に自信を持っている。3月23日まで米ラスベガスで開催された「IBM InterConnect 2017」で、「IBM Cloud」の魅力を語ったRometty氏は、Watsonを土台としデータファーストで設計されたクラウドアーキテクチャを「企業のプラットフォーム」と売り込む。また、「ブロックチェーン・アズ・ア・サービス」も発表するなど、ブロックチェーン戦略も具体化した。

 InterConnectはクラウド、IoTなどをテーマとしたIBMの年次イベントで、今年で3回目。Rometty氏がInterConnectに登場するのは初めてとなる。

 Rometty氏はこの日、集まった2万人の顧客やパートナーを前に、IBM Cloudは「企業向けのビジネスプラットフォーム」と述べる。クラウドは「これまでやっていたことを新しいやり方(クラウド)でするのではなく、これまで不可能だったことができる」からだ。IBMはパブリッククラウドでは後発だが、クラウドはすでに同社の売り上げの17%を占めている、とRometty氏。IBM Cloudの特徴として3つを挙げた。

エンタープライズ向けの特徴、オンプレ以上のセキュリティ

 1つ目は、エンタープライズ向けの特徴を備えることだ。具体的には、業界向けの設計、「オンプレミス以上」のセキュリティ、実装における選択肢と一貫性などを指す。

 IBMは19カ国50カ所のデータセンターを持つが、会期前日に中国のWanda Groupとの提携を発表し、20カ国となった。業界向けとして、医療のHIPPA、QMS(品質マネジメント)などに対応、中でも自動車、家電、航空業界などで必要なQMSはIBMのみという。「IoTデバイスから毎日0.5ペタバイトの情報を受け取っている。自動車などの業界にとってIBMは最大の商用IoTクラウドだ」とRometty氏は胸を張る。

 IBM Cloudは特定業界向けに機能スタックをそろえており、InterConnectでは財務業界向けの開発ツールセット「IBM Cloud for Financial Services」を発表した。銀行、保険といった金融業界の開発者はAPI、データ、コンテンツにアクセスしてコグニティブ対応の財務サービスアプリを迅速に構築できるという。


 IBM Cloud for Financial Servicesは、コンポーネントや技術を利用して簡単に財務サービスを構築できるツール。

 選択肢と一貫性とは何か。オンプレミス、プライベート、デディケート(専用)など様々な実装が可能であり、さらにはVMwareとの提携によりVMware環境を動かすことができる。PaaSのIBM BluemixはCloud Foundryをベースとするが、このようなオープン性は特徴と言える。

  「産業向けのハイブリッドクラウドとは、単にパブリックとプライベートを接続するのでは不十分。われわれはアプリケーションレイヤとデータレイヤをパブリッククラウドに接続できる」とRometty氏、全てをクラウドに乗せたくないというエンタープライズの事情にも理解を示し、WebSphereインスタンスにクラウドからアクセスしたいというニーズにも応える。

 セキュリティについては、チップレベルからWatsonを使ってネットワークをモニタリングするなど「オンプレミスより安全に構築されている」という。

ブロックチェーン・アズ・ア・サービスを発表

 これらの技術的特徴に加えて、Rometty氏は「イノベーションのパイプライン」の用意もあるというーーブロックチェーンと量子コンピュータだ。ブロックチェーンでは設立メンバーを務めるLinux FoundationのプロジェクトHyperledgerが取り組む分散レッジャー技術が初の正式版「Hyperledger Fabric v1.0」として発表された。

 IBMはまた、同技術をベースとした「IBM Blockchain」を発表、今年のInterConnectで大きなニュースとなった。IBM BlockchainはIBM CloudをベースとしたBlockchain as a Service(Baas)で、ブロックチェーンの特徴である信頼性、透明性の高いトランザクションを実現するという。IBMはブロックチェーンを重要な柱とする戦略で、「インターネットは情報をやり取りできるようにした。ブロックチェーンは信頼性のあるトランザクションでインターネットと同じ役割を果たす」とRometty氏は述べる。

 ブロックチェーン技術は「Ethereum」など他にもあるが、Hyperledgerでは毎秒1000トランザクションレベルを目指しているという。Rometty氏によるとEthereumは毎秒50トランザクション程度とのこと。

 IBMはブロックチェーンに関連して400のプロジェクトを企業と進めているが、中には中国での食品安全性の追跡する実証実験を展開するWalmartなど、金融以外のものも増えているという。


 展示会場では貨物業でのブロックチェーン活用の例を見せていた。

 量子コンピュータでは3月はじめにIBMは商用の量子コンピュータシステム「IBM Q」を発表、商用の量子コンピュータに向けて重要な一歩を進めた。

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