NEC、場所を選ばずに無線LAN網を構築できるAP--機器間通信機能も搭載

NO BUDGET

2017-03-30 17:55

 NECは、場所を選ばず無線LANネットワークを構築できる「インフラレス通信アクセスポイント」の発売を3月28日から開始した。新日鐡住金での採用が決定している。

 同製品は、1台に無線LANアクセスポイントと機器間通信機能を搭載している。約8時間の連続稼働が可能なバッテリを内蔵しているため、持ち運びが可能。複数台設置するだけで既存の通信インフラがない場所でもセキュアなネットワーク環境を自由に構築、移動できるという。機能拡張用のメモリを有しているため、利用用途に応じてソフトウェアを追加し機能を拡張することも可能。

 DTN(Delay, Disruption, Disconnection Tolerant Networking)機能を搭載しており、受信したデータを機器内に保存し通信可能時に送信できるため、一時的に通信が途切れても復旧後、確実にデータ伝送することが可能。周辺の通信可能な同製品を自動で検出する機能を搭載しており、通信状態を把握して最適な通信経路を選択する。GPS受信機能があるため、スマートフォンやタブレット端末から複数の同製品の位置や移動軌跡をそれぞれ確認できる。

インフラレス通信アクセスポイントの概要(NEC提供)
インフラレス通信アクセスポイントの概要(NEC提供)
インフラレス通信アクセスポイントの外観(NEC提供)
インフラレス通信アクセスポイントの外観(NEC提供)

 具体的な用途としては、既設工場や工事現場、災害現場、イベント会場などでの利用が考えられるという。

 同製品で無線LANネットワークを構築することで、ネットワーク敷設工事が困難なため、従来は紙で行っていた工場や工事現場での作業管理をタブレット端末などで効率的に実施できる。ウェアラブルカメラを活用して高技能者が複数の作業者の状況を遠隔地で集中管理でき、敷地内で運行する貨物車などの通過、停車位置をタイムリーに把握できるようになる。

 災害発生時には、ネットワークが寸断された物流拠点に短期間で無線LAN環境を構築することで入出庫やトラック発着状況を一括管理できるようになる。既設のネットワーク環境のないイベント会場などでも、一時的に無線LANネットワークを構築し、コンテンツ提供などの多角的なサービスを展開できる。

 スマートシティ向けにIoTのエッジサーバとして利用することも可能。配線や給電の制約なくカメラやセンサから得たデータをクラウドに送信することでリアルタイムかつ効率的に分析、制御するとメリットを説明している。

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