マスターデータ管理の難しさ
尾花氏:大きい会社であればあるほど、販売管理寄りのところから顧客マスターが始まっているので、大手だと企業単位ではなく、事業部や部門単位で企業コードが発番されています。それがコードの体系として整理されていれば把握できるのですが、それができていないから上位30社がわかりませんという話になっています。
さらに、会社が買収などで統合された際、A社用のコードとB社用のコードが別のままだから、同じ顧客なのに売り上げは別々に管理されている。これらを「手作業で照合するしかない」という事態が当たり前になっています。“ホワイトスペースはどこだ”という分析をする際に発覚しますよね。

KDDI株式会社 ソリューション事業本部 ソリューション事業企画本部 ソリューションマーケティング部 部長 中東孝夫氏
中東氏:え、この会社はホワイトじゃないよね? みたいな。この間何億も売り上げて、表彰されていたというアカウントがホワイトスペースで出てきたりします。マーケティング部門は何をやっているんだと言われる。
飯室氏:以前の会社では、「(データ)クレンジングにお金をかけるな」という方針でした。そこで(データベースに入れた団体の)名称が違ってもいいように、集計用の共通コードをもって横串を刺すという方法を採用していました。
とりあえず共通コードさえつけておけば顧客が「東京大学」でも「東大」でも認識されますし、顧客の名称が変更になろうともそれを反映させる必要はないのです。
いちどデータクレンジングをし始めると、正確に入力しなければならないと言う脅迫観念にかられて、時間とリソースとお金をかける羽目になりますが、共通コードさえ放り込んでおけば、その労力はなくなります。
結局それぞれのデータベースの中身の管理は担当者(データベースにデータを入れた人)が担っていました。この共通コードを持たない案件については、売り上げや結果は反映されず、成果にならないというルールでした。そのため、一所懸命手作業で案件にコードをつけて管理していました。
中東氏:マーケティングを切り口にしたマスターデータ管理(MDM)やデータ品質管理(DQM)に関する話は重要と思っています。今回座談会の話を受けたのは、それが言いたかったのです。
尾花氏:1つの光明は、今までは共通したコードを振ろうと思ったときに必ず有料の帝国データバンクなどが必要でした。それが、(法人版マイナンバーである)法人番号がきちんと付与されたので、それをベースに本社の所在地もAPIを叩けば返ってくるし、すごい武器になりますね。
<第3回へ続く>