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座談会@ZDNet

IT部門が知るべき「ABM」の効用--B2Bマーケティング座談会(3) - (page 3)

山田竜司 (編集部) 吉澤亨史

2017-05-12 07:00

「営業が行っているはず」のミドルクラスをあぶりだすABM

 中東氏:「国内マーケットに対してABMに取り組もうというモチベーションは持ちにくい」ということなのですが、そういう会社でも、売り逃がしているケースが多いと感じています。インサイドセールスを会社内に立ち上げて、全部リストを確認した結果、「オタクの営業が2年くらい前に来た」など、もうやめてしまった人間の話をするようなことが多かったのです。

 自分たちは顧客をきちんと見ていると営業は言いますが、訪問回数はどれくらいなのかと問いただすと全然通っていない。きちんと通えていない顧客が5%あるとして、シェアで5%失っているといたら大変なことです。それをどこまで潰せるかということが今、マーケティング部でやっていることです。

 ホワイトスペースに当たる際、確かに下の方、(新規開拓の余地がある)ロングテールのアカウントを最初に取り組んでしまうケースが多いのですが、この分野は成果が出にくい。代わりに営業が通っていない顧客をいかにフォローするのかに注力しています。通っているところをいじる必要はないのです。営業部が当たれていないところにもっとケアするべきで、その結果としてミドルクラスの売り上げがある顧客が出てくる。ミドルをどうやってマーケティングがサポートして営業に案件を渡そうとするか、その前にどこまでホットな案件にするかが、今ABMのフレームワークの中で、私が今一番目指しているところです。カバレッジ(網羅率)とフリークェンシー(頻度)ですね。


B2Bhack.com B2Bハッカー(ビジネスファシリテーター)飯室淳史 氏

 飯室氏:それは、私は(勤めていたGEヘルスケアの)日本では取り組んだことがないですね。海外では、「キーアカウントマネジメント」という営業中心で顧客を狙うということしかやっていません。海外はその取り組みにデジタルマーケで取り組んでいます。デジタルを入れている理由は、営業のチャネル以外をカバーリングすることです。でも(対象アカウントは)600もない。私の会社のターゲットになりそうなところは、日本では8社しかないわけです。

 実際にあるシステムを入れて予算をかけて取り組んでいるのは、たった1社しかなくて、それは100億くらいの売り上げを全世界であげている製薬会社なのです。そこだけに十数人の人を貼り付けて、特定の顧客に対して、デジタルも含めたアクセスの頻度を維持してインストアシェアを図るというコンセプトなのです。これはデジタルマーケティングで取り組んでもすごく手間暇がかかります。だから結局1社に対してしか取り組んでいなくても、売り上げが100億あるから10人貼り付けてもペイできる。でもそれはABMとは言わないですね。アカウントベースドセールスデベロップメントという言い方をしています。

 中東氏:ABMでマーケティングが果たすべき役割は、先ほど飯室さんがおっしゃった、キーアカウントマーケット、マネジメントのところをマーケティングが肩代わりすことではなくて、そこに注力した結果、漏れるミッドマーケットをどうやって抑えるかなのです。そこのセグメンテーションをきちんとするためにデータクォリティマネジメントが絶対に必要で、そこで失敗すると元も子もないわけです。

 ZDNet:営業がきちんと顧客のところに通っているのかを見るためにITを使う。

 飯室氏:そこで使うのは営業支援システム(SFA)ですね。

 中東氏:そうなんです。ですからマーケターがそれをやろうとするなら、SFAのことを知らなくてはいけないし、CRMのデータベースのことを知らなくてはいけません、ウェブの解析もきちんとしていなくてはいけない。

 飯室氏:必要なツールやスキルを理解している人はいいのですが、ABMをやるにはいろいろな条件があって、それを満たしていないと効果も出ないし、意味のないことになってしまいます。ABMに向いているかどうかのチェックリストのようなものが最初にあればいいと思いますね。

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