VMwareとフランスのクラウドプロバイダーOVHは米国時間4月4日、OVHが「VMWare vCloud Air」事業を買収する意向であることを発表した。買収条件の詳細は明らかになっていない。買収は2017年第2四半期に完了する見込みだ。
vCloud Airは、セキュアなハイブリッドクラウドを実現したいというエンタープライズのニーズに合わせて設計された、VMwareのクラウドソリューションだ。VMwareは、ハイブリッドクラウドおよびクロスクラウドのソフトウェアやサービス提供を重視するよう事業戦略を進化させてきた。VMwareによれば、こうした戦略に基づき、vCloud Airを運用している米国と欧州のデータセンターや顧客関連チームなどがOVHに移管されるという。OVHは買収完了後も、VMwareのハイブリッドクラウド技術を利用する形でvCloud Airのサービスを「vCloud Air Powered by OVH」として引き続き提供する予定であり、VMwareと緊密に連携していく。
VMwareの最高経営責任者(CEO)Pat Gelsinger氏は、発表の中で、今回の買収はvCloud Airの進化の「次のステップ」だと表現している。また、今回の買収は顧客にとってプラスになるものだと述べている。同氏によれば、顧客は世界的に展開されているOVHのデータセンターから選択できるようになるため、選択肢は広がり、パフォーマンスも向上するという。
OVHは100万社を超える顧客を持ち、26万台以上のサーバを運用するクラウドサービスプロバイダーで、古くからのVMware vCloud Air Networkパートナーだ。両社は、ソフトウェア定義データセンター(SDDC)関連サービスの提供でもパートナーシップを組んでいる。