日本株展望

米国関連株を見直し--国境税に耐える5銘柄

ZDNet Japan Staff 2017年04月06日 11時42分

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今日のポイント

  1. 米景気の回復色が強まっているので、米景気敏感株に注目。自動車は米景気好調の恩恵を受けるが、トランプ政権が国境税を導入すると大きなダメージを受けるので要注意
  2. 米国生産比率が高い製造業、米国で収益を拡大中の金融業などに米景気好調のメリットが及ぶ見込み

 これら2点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

米国関連5銘柄の株価バリュエーション:4月5日時点

米国関連5銘柄の株価バリュエーション:4月5日時点
注:最小投資金額は、最小投資単位100株購入に必要な金額。楽天証券経済研究所が作成

世界的な政治不安の高まりで「政治不安に弱い」日本株が売られる

 外国人の売りで日経平均が調整している。外国人が今、日本株を売ってきているのには、主に2つの理由があると考えている。

(1)北朝鮮問題

 東アジアの地政学リスクの高まり(北朝鮮の暴走)が外国人から見て、日本株の保有を減らすきっかけとなっている可能性がある。「中国が北朝鮮問題を解決しないならば、われわれ(米国)がやる」というトランプ大統領の発言を受け、米中緊張が高まるリスクも意識されている。4月6日に始まる米中首脳会談に注目が集まっている。

(2)トランプ政権が再び日本批判を開始

 トランプ政権がいよいよ保護貿易を強化する構えであることも不安材料だ。3月31日にトランプ大統領は貿易赤字削減を進めるために新たな大統領令に署名した。貿易赤字の相手国である中国や日本などの「不公正な貿易慣行」を調査し90日以内に報告書をまとめることを米商務省などに指示する内容である。

 2月10日の日米首脳会談以降、しばらく日本への批判は出なくなっていたが、再び、日本をターゲットとした批判が出始めている。日本の農業・自動車産業がトランプ政権の攻撃対象となる可能性がある。

米国関連株を見直し

 日本企業にとって米国は重要な収益源である。日本貿易振興機構(JETRO)によると、2015年度の日本企業の海外売上高比率は58.3%と過去最高の水準に達しており、中でも米州向けが25.9%と最大だ。

 今、米景気が好調である恩恵は日本企業に幅広く及ぶ。これから始まる2017年3月期決算では、米国向けの売上高比率が高い「米国関連株」の好調が見込まれる。

 米国関連株に投資対象として有望な銘柄もあると考えられる。

米国関連株の代表である「自動車株」はトランプ不安で値下がり

 自動車産業は、米景気好調・円安の恩恵が大きく、これから業績の回復色が強まると考えられる。本来ならば、自動車株は業績回復を映して、上昇しているはずだった。

 ところが、実際は逆で、1月以降、日本の自動車株は軒並み値下がりしている。トランプ政権への不安が重くのしかかっている。具体的には、以下の2点が不安視される。

(1)自動車をターゲットとして対抗策が出される懸念

 トランプ政権は「不公正な貿易」を行っている国・産業からの輸入品に「国境調整税」を課すことを検討している。日本の自動車産業は、調査対象に入っている模様である。もし、日本の自動車産業が不公正な競争をしていると認定されると、日本の自動車メーカーがメキシコまたは日本から米国へ輸出している自動車と自動車部品に国境税がかけられる可能性もある。

 日本は現在、乗用車の輸入に関税をかけていないが、米国は2.5%の関税をかけている。米国は“ライトトラック”の輸入には、25%もの高い関税をかけている。関税の話をするならば、トランプ大統領の日本批判はまったく根拠がない。

 ライトトラックには、ピックアップトラックだけでなく、米国で人気の大型SUV(スポーツ用多目的車)も含まれる。現在の米自動車市場では、ライトトラックの販売が好調である一方、乗用車の販売は停滞している。

 トランプ大統領は、日本の自動車輸入に「非関税障壁がある」と主張している。日本の環境規制や安全基準が厳しいこと、軽自動車に優遇税制があることなどが輸入車に不利に働いていると批判される可能性がある。

 ただし、日本では、ドイツからの輸入車が人気で順調にシェアを伸ばしている。アメリカ車の販売が不振なのは、米国メーカーの努力不足と言わざるを得ないと思う。

(2)トランプ大統領が円安批判を復活し、円高誘導をはかろうとする懸念

 今のところ、円安批判は封印しているが、いずれ復活する懸念がある。

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