「企業のストレージ投資の性質が変わった。適用するユースケースに合わせて、要件に合ったストレージは何か、という視点で選ぶようになった」(Dell EMCのEmerging Technologies DivisionでSenior Directorを務めるChris Arangio氏)
米Dell Technologiesにおいて、ストレージなどの企業情報システム分野の製品を扱っているサブブランドが「Dell EMC」だ。Dell EMCが現在特に注力している製品分野が、SDS(Software Defined Storage:ソフトウェア定義型ストレージ)だ。
Dell EMCのSDSは2つある。ブロックストレージの「ScaleIO」と、オブジェクトストレージの「ECS(Elastic Cloud Storage)」だ。これらの異なるSDSを、用途に合わせて使い分けられるようにしている。

Dell EMC(米Dell Technologies)のSDS(Software Defined Storage)部門でディレクタとプリセールスを担当するRoshan Pradeep Kumar氏
「適切なワークロードを適切なストレージに置くべき」と指摘するのは、Dell EMCのSDS部門でディレクタとプリセールスを担当するRoshan Pradeep Kumar氏だ。ワークロードに合わせてストレージを選択するために「ストレージのラインアップが豊富であることが重要になる」と主張する。
幅広い選択肢でストレージをラインアップする点については、DellとEMCの合弁も功を奏している。両社のラインアップが合わさるからだ。「競合他社のように少ないラインアップからワークロードの要求に対して無理やり当てはめるといったことをしなくて済む」(Roshan氏)
ユースケース/ワークロードに応じてストレージを使い分ける
実際に、ユーザー企業には様々な種類のワークロードがある。Dell EMCは、これらのワークロードごとにストレージを提供している。
例えば、ブロックストレージのハイエンド機種に「VMAX」がある。可用性を高めるためのリモートレプリケーション機能「SRDF」などのように、エンタープライズ用途のデータサービス機能に優れている。銀行などにおいてメインフレームやRISC UNIX機などから使われている。
一方、同じ銀行でも、顧客向けのモバイルアプリケーションといった用途では、接続ユーザー数が多く、今後もユーザー数が増えるため、容量や性能を拡張できるストレージが必要になる。この要件に対してはSDSのブロックストレージであるScaleIOがよく使われている。
このように、ストレージはユースケースに応じて使い分けることが重要だ。例えば、動作するOSの違いや、ブロック/ファイル/オブジェクトなどのアクセス方法の違いによってストレージを選ぶ。これらの選択肢を豊富にそろえておけば、適切なワークロードを適切なストレージに置くことができる。