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日本株展望

不確実性と向き合う市場--朝鮮半島有事は?

ZDNet Japan Staff

2017-04-07 11:27

今日のポイント

  1. 1~3月期を終えた内外市場では、国別のリターンに跛行色がみられる。日本株は年初来で下落に転じたが、欧米株、新興国株、米国債、金は堅調を維持
  2. 米中首脳会談を控え、貿易戦争や北朝鮮問題が市場の不安要因。朝鮮半島有事を巡ってはシナリオ別相場見通しをまとめた。「メインシナリオ」は短期決着で市場は安堵へ
  3. 4~5月は、トランプ政治やフランス大統領選挙の行方を巡る不確実性も株価の重石。不安要因が落ち着くに連れ、リスクオフ姿勢は緩和に向かうと見込む

 これら3点について楽天証券チーフグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。

跛行色を濃くする内外市場

 内外の市場は、日米欧の政治(日本では森友学園問題、米国ではトランプ大統領の政策運営、欧州ではフランス大統領選挙)を巡る不安に地政学リスク(朝鮮半島不安)が重なり、リスクオフ(回避)姿勢が強まっている。こうした中で市場別に跛行(はこう)色が濃くなっており、年初来ではドル円と日本株が下落した一方、米国株、欧州株、新興国株は年初来で堅調を維持し、「世界株安」とはなっていない(図表1)。

 日本株は、アジア市場の中で最も流動性が高く、リスクオフ局面で売りがかさみやすい特徴が災いとなっている。

 4月6日の株価急落については、米国で4月5日に公表された3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、金融当局によるテーパリング(量的緩和縮小)が年内に始まるとの見方が強まったことも株価を押し下げた。一方、米国債(市場指数ベース)や金は、リスク回避姿勢が強まる局面で買われやすく、年初来では堅調となっている。

図表1:最近の市場別・期間別リターン比較

図表1:最近の市場別・期間別リターン比較
注:米10年債利回りの騰落率は利回り変動幅、出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成
(日本株式は4月6日時点、それ以外は4月5日時点)

朝鮮半島の不安も市場の重石

 株式市場や為替相場で警戒されている不確実要因の一つとして、「朝鮮半島で有事が迫っている」との観測も挙げられる。

 核兵器や弾道ミサイルの開発・実験を重ね、挑発的で好戦的な言動を繰り返してきた金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮の脅威は高まっており、日米両国にとり安全保障上の危機要因となっている。麻生財務大臣は3月31日の記者会見で「日本の新聞が書いているより(朝鮮半島情勢は)深刻」と述べた。

 4月6~7日に開催された米中首脳会談でトランプ大統領は中国(習近平国家主席)の事前了解を取り付け、韓国大統領選挙(5月9日)までのいつか(Xデー)に軍事作戦を実施し、「金正恩委員長による支配と核攻撃の脅威を取り除く」との観測が出ている。

 米政府内では1990年代から北朝鮮の強硬姿勢への対応策として軍事的な手段が断続的に検討されてきたが、歴代政権と比べトランプ政権には断固たる姿勢が窺える。実際、米国が軍事作戦に踏み切れば、内外株式はいったん波乱含みとなる可能性があり注意が必要だ。

 ただ、「メインシナリオ」として軍事作戦が短期かつ米国勝利で終わるなら、市場は落ち着きを取り戻すと見込まれる。

 とは言いながら、リスクシナリオ(想定外のケース)やワーストシナリオ(最悪のケース)に発展する可能性も否定はできず、実際の有事では事態の行方を見極める必要がある。もちろん、「緊張」がこれまで通り続くだけで有事が起きない可能性もある。

 ただ、1950年代の朝鮮戦争は現在休戦状態であり終戦に至ってない事実に留意が必要だ。図表2では、有事発生の場合の「シナリオ別相場見通し」をまとめた。あらゆるケースを冷静に想定しておく必要がありそうである。

図表2:朝鮮半島有事の場合--シナリオ別相場見通し

図表2:朝鮮半島有事の場合--シナリオ別相場見通し
出所:各種報道をもとに楽天証券経済研究所作成(2017年4月6日時点)

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