Rhodes氏は「これが複雑さをもたらす大きな要因だ。ものごとが変化するペースに追随し、するべきことを決定するリスクを負ったうえで自らのアプリケーションアーキテクチャに反映する必要があるというのは、メインストリームの企業にとって難問と言える」と語った。
初期の段階
Rhodes氏によると、大手クラウド企業の売上高はおよそ200億ドルだが、データセンター内にいまだに置かれているアプリケーションやデータの5000億ドルという規模に比べるとはるかに小さく、すべてをクラウドに移行するには10年以上かかるだろうという。
同氏は「まだあまりにも初期の段階だ」と述べた。
では、Rackspaceが米航空宇宙局(NASA)とともに開発したオープンソースのクラウドコンピューティングプラットフォームOpenStackについてはどうだろうか?
Rhodes氏は「われわれは世界がパブリッククラウドの代替を欲していると考えていた」と述べるとともに、「われわれが学んでいるのは、世界がパブリッククラウドの代替を必要としていないということだ。このためOpenStackは形態を変え、プライベートクラウドに向かっている」と述べた。
同氏の主張は、パブリッククラウドインフラに大量のリソースを費やしている企業にとって、プライベートクラウドがクラウドの進化における次のステージになり得るということだ。同氏は「1カ月あたり(パブリッククラウドインフラへの)支出が7桁を超えるようになった時に、それが最も効率的な経済モデルかどうかを考え始めるといういくつかの事例をわれわれは目にしてきている」と述べるとともに、こうした企業のいくつかはプライベートクラウドに移行すれば20〜30%のコスト削減を達成できる可能性があると主張した。
では、Rackspaceが試みたように、AWSやMicrosoft、Googleといったクラウドインフラの大手と戦おうとする企業は出てくるのだろうか?
Rhodes氏は、それはないだろうと考えている。同氏は「世界が超巨大パブリッククラウドをもう1つ必要とするようになるとは考えていない。テクノロジの新たな選択肢が生み出されるとともに、品質が向上していくはずだ。その時点で、どのプロバイダーがこれら超大規模プロバイダーと渡り合い、距離を縮められるだけの資本を持っているのかを見極めるということになるだろう。ただ、私はそういった方向に向かいつつあるようには思えない」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。