デジタル人事の時代

働き方改革としての“チャット”--業務時間の可視化が組織を変える - (page 3)

田中公康 島村麻衣 2017年04月24日 07時00分

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 ある企業では、チャットでのコミュニケーションと対面で集まる会議の使い分けを実施することで、固定的な会議の時間を50%以上削減することに成功した。

 さらに、会議以外の日常コミュニケーションでもチャットを基本手段として採用し、現場メンバーが相談したいときにチャットでいつでも上司の判断を仰ぐという環境を作り出した。これにより、上司が外出などで不在の場合でもすぐに回答が得られるようになり、現場での意思決定リードタイムの短縮を実現した。

 このように紹介すると、「なぜメールだとできないことがチャットだとできるようになるのか」と疑問を抱かれる方が多いだろう。チャットはメールと同じく文字によるコミュニケーションツールであるが、発言のみが表示されるため会話の文脈が一目で分かる。

 一方メールは、発言の間に送信者・受信者・件名・受信時刻といった情報が表示される上、一回の発言に要する操作ステップが多く、ひんぱんな発言のやり取りには適していない。

 プライベート用のスマートフォンで、Facebook MessengerやLINEでコミュニケーションする場合と、メールアプリを起動してコミュニケーションする場合の操作を想像すれば、チャットコミュニケーションの早さは容易に理解できることと思う。


チャットは、会話の流れが一目見て分かる点や、会話に必要な操作ステップ数が少ない点等から、メールと比較してより会話に有効なツールである

 また、対面での会話の機会を減らしチャットへとコミュニケーションを移行することで、組織内のメンバーの関係性が希薄になるのではと懸念する方も多いのではないだろうか。

 しかし、上述企業での実践結果では、チャットへ移行することで業務の会話が可視化され、「組織内のメンバーが何に困っているのか、仕事が上手くいっているのかが分かるようになり、助け合い、褒め合い、励まし合う環境が生まれ、組織の連帯感が高まった」との声が多数上がった。

 対面・メールのみのコミュニケーションよりも、チャットの可視化されたコミュニケーションの方が、組織内の連携が強まり一体感が増したのである。

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