今日のポイント
- 東アジアの地政学リスクの高まりを嫌気して日経平均が下落してきた。為替は一時1ドル108円台まで円高が進んでいる。景気・企業業績の回復が続くと考えるので、ここからは日本株は押し目買いで良いと判断する。ただし、1ドル100円まで円高が進む可能性も現時点で否定できず、時間分散が必要
- 好配当利回り株から投資を始めたら良いと考える。攻めの銘柄(景気敏感株)と、守りの銘柄(ディフェンシブ株)に分散投資が望ましい
これら2点について楽天証券チーフグローバルストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。
好配当利回り:攻めの12銘柄と守りの12銘柄
東アジアの地政学リスク拡大を嫌気した外国人の売りで、日経平均の下落が続いてきたが、景気・企業業績の回復傾向が続くと予想しているので、ここからは「下がったら買い」のスタンスで良いと思う。
今日は、2種類の好配当利回り株をご紹介する。攻めの12銘柄と守りの12銘柄である。
攻め・守りの意味
ここでは、景気敏感業種から選ぶ株を「攻めの銘柄」と呼ぶ。輸出株、資源関連株、金融株の3分野から選ぶ。一方、景気の影響が比較的小さい業種から選ぶ株を「守りの銘柄」と呼ぶ。
攻めの銘柄は値動きが荒く、下げる時は大きく下げ、上げる時には大きく上げる傾向がある。
これに対し、ここで守りの銘柄と呼ぶものは、攻めの銘柄より価格変動が小さくなる傾向がある。ただし、株である以上、値上がり値下がりはする。日経平均が下がる間は、下落が続く可能性が高いと言える。あくまでも、相対的に値動きが小さいというだけなので、注意していただきたい。
守りの12銘柄
景気の影響が相対的に小さい業種(医薬品・食品)や、景気の影響を受けにくいビジネス(情報通信などに多い)から選んだ。また、相対的な値動きの安定性から、上場不動産投資信託(REIT)からも銘柄を選定した。
収益基盤が安定している銘柄を選ぶために、営業利益率が10%以上の銘柄に絞った。
守りの好配当利回り銘柄:4月12日時点

【注】配当利回りは会社予想ベース、トレンドマイクロのみ楽天証券予想。営業利益率は今期会社予想ベース。日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人はREITで、株と同じように東京証券取引所で売買可能。楽天証券経済研究所が作成
攻めの12銘柄
景気敏感株から選んだ。具体的には、窪田氏が3大割安業種と呼んでいる、輸出株、資源関連株、金融株から選んだ。
攻めの好配当銘柄:4月12日時点

(注)配当利回りは会社予想ベース、楽天証券経済研究所が作成
攻め・守りの銘柄に投資する場合の注意事項
攻めの銘柄は一般的に、日経平均の下落局面で下落率が高くなる傾向がある。日経平均の反発局面では、上昇率が高くなることが期待される。
一方、守りの銘柄は、日経平均の下げ局面では値もちが相対的に良いものの、日経平均の反発局面では、株価上昇率が高くならないと考えられる。比較的値動きが落ち着いた好配当利回り株として、長期投資するにはいいが、日経平均の反発局面での株価反発を狙うなら、期待外れとなる可能性もある。
攻めの好配当利回り株と、守りの好配当利回り株は、それぞれの特色と役割を理解した上で、両方に分散投資していくことが望ましいと思う。
ただし、上記はあくまでも一般論なので、個別銘柄でそうならないものもある。
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